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14.5.1 タイミング間違い

マクロを記述する際のもっとも一般的な問題として、展開形の中ではなくマクロ展開中に早まって実際に何らかの作業を行ってしまうことがあります。たとえば実際のパッケージが以下のマクロ定義をもつとします:

(defmacro my-set-buffer-multibyte (arg)
  (if (fboundp 'set-buffer-multibyte)
      (set-buffer-multibyte arg)))

この誤ったマクロ定義は解釈(interpret)されるときは正常に機能しますがコンパイル時に失敗します。このマクロ定義はコンパイル時にset-buffer-multibyteを呼び出してしまいますが、それは間違っています。その後でコンパイルされたパッケージを実行しても何も行いません。プログラマーが実際に望むのは以下の定義です:

(defmacro my-set-buffer-multibyte (arg)
  (if (fboundp 'set-buffer-multibyte)
      `(set-buffer-multibyte ,arg)))

このマクロは、もし適切ならset-buffer-multibyteの呼び出しに展開され、それはコンパイルされたプログラム実行時に実行されるでしょう。

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