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21.12 スクロールバー

グラフィカルなディスプレーでは、Emacsウィンドの横にスクロールバーがあります。スクロールバーのupボタンまたはdownボタンをMouse-1でクリックすると、ウィンドウを1行ずつスクロールします。スクロールバー内部のボックスの上または下をMouse-1でクリックすると、M-vまたはC-vと同様に、ほぼウィンドウ全体の高さ分スクロールします(Moving Pointを参照してください)。スクロールバー内部のボックスをドラッグすると、連続してスクロールします。

EmacsがXウィンドウシステム上でXツールキットサポートなしでコンパイルされている場合、スクロールバーは違った振る舞いをします。スクロールバーの任意の箇所をMouse-1でクリックするとC-vのように前方にスクロールし、Mouse-3でクリックするとM-vのように後方にスクロールします。スクロールバーでMouse-2をクリックすると、スクロールバー内部のボックスを上下にドラッグできます。

スクロールバーの使用を切り替えるには、M-x scroll-bar-modeとタイプします。このコマンドは、まだ作成されていないフレームも含めて、すべてのフレームに適用されます。選択されたフレームのスクロールバーだけ切り替えたい場合は、コマンドM-x toggle-scroll-barを使用してください。

起動時にスクロールバーの使用を制御するには、変数scroll-bar-modeをカスタマイズします。この変数の値は、right(ウィンドウの右にスクロールバーを配します)、left(ウィンドウの左にスクロールバーを配します)、nil(スクロールバーを無効にします)のどれかです。EmacsがXウィンドウシステム上でGTK+サポートつきでコンパイルされている、またはMS-Windows、Mac OSの場合、デフォルトでは右にスクロールバーを配します。EmacsがXウィンドウシステム上でGTK+サポートなしでコンパイルされている場合、(古いXアプリケーションの慣例にしたがって)スクロールバーを左に配します。

Xリソース‘verticalScrollBars’を使って、スクロールバーを有効または無効にすることができます(Resourcesを参照してください)。スクロールバーの幅を制御するにはフレームパラメーターscroll-bar-widthを変更してください(Frame Parameters in The Emacs Lisp Reference Manualを参照してください)。

(GTK+またはMotifとともに)X上でEmacsを使っている場合、変数scroll-bar-adjust-thumb-portionをカスタマイズして、スクロールバーのオーバースクロール(overscrolling: たとえばバッファーの最後が表示されていてもさらに下にスクロールします)を制御できます。変数の値が非nilの場合、バッファーの最後が表示されていてもスクロールバーを下にドラッグできます。nilの場合、バッファーの最後が表示されたとき、内部のボックスはスクロールバーの最下になります。バッファー全体が表示されているときは、オーバースクロールできません。

スクロールバーの視覚的な外見は、scroll-barフェイスにより制御されます。