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28.23 Display Feature Testing

このセクションの関数は、特定のディスプレイの基本的な能力を説明します。Lispプログラムは、そのディスプレイが行えることに挙動を合わせるために、それらを使用できます。たとえば、ポップアップメニューがサポートされなければ、通常はポップアップメニューを使用するプログラムは、ミニバッファーを使用できます。

これらの関数のオプション引数displayは、問い合わせるディスプレイを指定します。これにはディスプレイ名、フレーム(フレームがあるディスプレイを指定)、またはnil(選択されたフレームのディスプレイを参照する。Input Focusを参照されたい)を指定できます。

ディスプレイに関する情報を取得するその他の関数については、Color Namesを参照してください。

Function: display-popup-menus-p &optional display

この関数は、display上でポップアップメニューがサポートされていればt、それ以外はnilをリターンする。Emacsディスプレイのある部分をマウスでクリックすることによりメニューがポップアップするので、ポップアップメニューのサポートにはマウスが利用可能であることが要求される。

Function: display-graphic-p &optional display

この関数は、displayが一度に複フレームおよび複数の異なるフォントを表示する能力を有すグラフィックディスプレイならtをリターンする。これは、Xのようなウィンドウシステムのディスプレイにたいしては真、テキスト端末にたいしては偽となる。

Function: display-mouse-p &optional display

この関数は、displayでマウスが利用可能ならt、それ以外はnilをリターンする。

Function: display-color-p &optional display

この関数は、そのスクリーンがカラースクリーンならtをリターンする。これは以前はx-display-color-pと呼ばれており、その名前はエイリアスとして今でもサポートされる。

Function: display-grayscale-p &optional display

この関数は、スクリーンがグレースケールを表示可能ならtをリターンする(カラーディスプレイはすべてこれを行うことができる)。

Function: display-supports-face-attributes-p attributes &optional display

この関数は、attributes内のすべてのフェイス属性がサポートされていれば非nilをリターンする(Face Attributesを参照)。

幾分発見的ではあるが、‘サポートされる’という言葉は、基本的にはあるフェイスがattributes内のすべての属性を含み、ディスプレイにたいしてデフォルトフェイスにマージ時に、

  1. デフォルトフェイスとは異なる外見で表示でき、かつ
  2. 指定した属性と正確に一致しない場合は、‘より近い(close in spirit)’

方法で表現可能なことを意味する。2つ目のポイントは、属性:weight blackは太字(bold)表示可能な、同様に属性:foreground "yellow"は黄色がかった何らかのカラーを表示可能なすべてのディスプレイで満たされるだろうが、属性:slant italicは斜体(italic)を自動的に‘淡色(dim)’に置き換えるttyの表示コードでは満たされないであろうことを暗に示している。

Function: display-selections-p &optional display

この関数は、displayが選択(selections)をサポートすればtをリターンする。ウィンドウ化されたディスプレイでは、通常は選択がサポートされるが、他の場合にもサポートされ得る。

Function: display-images-p &optional display

この関数は、displayがイメージを表示可能ならtをリターンする。ウィンドウ化されたディスプレイは原則イメージを処理するが、イメージにたいするサポートを欠くシステムもいくつかある。イメージをサポートしないディスプレイ上では、Emacsはツールバーを表示できない。

Function: display-screens &optional display

この関数は、そのディスプレイに割り当てられたスクリーンの数をリターンする。

Function: display-pixel-height &optional display

この関数は、スクリーンの高さをピクセルでリターンする。文字端末では、文字数で高さを与える。

“マルチモニター”にセットアップされているグラフィカル端末では、displayに割り当てられたすべての物理モニターのピクセル幅を参照することに注意。Multiple Terminalsを参照のこと。

Function: display-pixel-width &optional display

この関数は、スクリーンの幅をピクセルでリターンする。文字端末では、文字数で幅を与える。

“マルチモニター”にセットアップされているグラフィカル端末では、displayに割り当てられたすべての物理モニターのピクセル幅を参照することに注意。Multiple Terminalsを参照のこと。

Function: display-mm-height &optional display

この関数は、スクリーンの高さをミリメートルでリターンする。nilなら、Emacsがその情報を取得できなかったことを意味する。

“マルチモニター”にセットアップされているグラフィカル端末では、displayに割り当てられたすべての物理モニターのピクセル幅を参照することに注意。Multiple Terminalsを参照のこと。

Function: display-mm-width &optional display

この関数は、スクリーンの幅をミリメートルでリターンする。nilなら、Emacsがその情報を取得できなかったことを意味する。

“マルチモニター”にセットアップされているグラフィカル端末では、displayに割り当てられたすべての物理モニターのピクセル幅を参照することに注意。Multiple Terminalsを参照のこと。

User Option: display-mm-dimensions-alist

この変数は、システムの提供する値が不正な場合にdisplay-mm-heightおよびdisplay-mm-widthがリターンするグラフィカルなディスプレイのサイズを、ユーザーが指定できるようにする。

Function: display-backing-store &optional display

この関数は、そのディスプレイのバッキングストアー(backing store)の能力をリターンする。バッキングストアーとは、非露出ウィンドウ(およびウィンドウの一部)のピクセルを記録しておいて、露出時に素早く表示できるようにすることを意味する。

値にはシンボルalwayswhen-mappednot-usefulである。特定の種類のディスプレイにたいしてこの問いが適用外の際、この関数はnilをリターンすることもある。

Function: display-save-under &optional display

この関数は、そのディスプレイがSaveUnder機能をサポートすれば非nilをリターンする。この機能は、ポップアップウィンドウに隠されるピクセルを保存して、素早くポップダウンができるようにするために使用される。

Function: display-planes &optional display

この関数は、そのディスプレイがサポートする平面数(number of planes)をリターンする。これは通常、ピクセルごとのビット(bits per pixel: 色深度[bpp])数である。ttyディスプレイでは、サポートされるカラー数の2進対数(log to base two)である。

Function: display-visual-class &optional display

この関数は、そのスクリーンのビジュアルクラスをリターンする。値はシンボルstatic-gray(カラー数変更不可の限定されたグレイ)、gray-scale(フルレンジのグレイ)、static-color(カラー数変更不可の限定されたカラー)、pseudo-color(限定されたカラー数のカラー)、true-color(フルレンジのカラー)、およびdirect-color(フルレンジのカラー)のいずれかである。

Function: display-color-cells &optional display

この関数は、そのスクリーンがサポートするカラーのセル数をリターンする。

以下の関数は、Emacsが指定されたdisplayを表示する場所に使用されるウィンドウシステムの追加情報を取得します(関数名先頭のx-は歴史的理由による)。

Function: x-server-version &optional display

この関数は、GNUおよびUnixシステム上のXサーバーのような、display上で実行されているGUIウィンドウシステムのバージョン番号のリストをリターンする。値は3つの整数からなるリストで、1つ目と2つ目の整数はそのプロトコルのメジャーバージョン番号とマイナーバージョン番号、3つ目の整数はウィンドウシステムソフトウェア自体のディストリビューター固有のリリース番号である。GNUおよびUnixシステムでは、通常これらはXプロトコルのバージョン番号と、Xサーバーソフトウェアのディストリビューター固有のリリース番号である。MS-Windowsでは、WidowsのOSバージョン番号である。

Function: x-server-vendor &optional display

この関数は、ウィンドウシステムソフトウェアを提供する“ベンダー”をリターン(文字列)する。GNUおよびUnixシステムでは、それが誰であれそのXサーバーを配布するベンダーを意味する。MS-Windowsでは、Widows OSのベンダーID文字列(Microsoft)である。

X開発者がソフトウェア配布者を“vendors”とラベル付けしたことは、いかなるシステムも非商業的に開発および配布できないと彼らが誤って仮定したことを示している。