フレーム(frame)とは、1つ以上のEmacsウィンドウを含むスクリーンオブジェクトです(Windowsを参照)。これは、グラフィカル環境では“ウィンドウ”と呼ばれる類のオブジェクトです。しかし、Emacsはこの単語を異なる方法で使用しているので、ここではそれを“ウィンドウ”と呼ぶことはできません。Emacs Lispにおいてフレームオブジェクト(frame object)とは、スクリーン上のフレームを表すLispオブジェクトです。Frame Typeを参照してください。
フレームには最初、1つのメインウィンドウおよび/またはミニバッファーウィンドウが含まれます。メインウィンドウは、より小さいウィンドウに垂直、または水平に分割することができます。Splitting Windowsを参照してください。
端末(terminal)とは、1つ以上のEmacsフレームを表示する能力のあるデバイスのことです。Emacs Lispにおいて、端末オブジェクト(terminal object)とは端末を表すLispオブジェクトです。Terminal Typeを参照してください。
端末にはテキスト端末(text terminals)とグラフィカル端末(graphical
terminals)という、2つのクラスがあります。テキスト端末はグラフィック能力をもたないディスプレイで、xterm
やその他の端末エミュレーターが含まれます。テキスト端末上では、それぞれのEmacsフレームは、その端末のスクリーン全体を占有します。たとえ追加のフレームを作成してそれらを切り替えることができたとしても、端末が表示するのは一度に1つのフレームだけです。一方でグラフィカル端末は、X
Window
Systemのようなグラフィカルディスプレイシステムにより管理されています。これにより、Emacsは同一ディスプレイ上に複数のフレームを同時に表示することができます。
GNUおよびUnix systemsシステムでは、単一のEmacsセッション内で、そのEmacsがテキスト端末とグラフィカル端末のいずれで開始されたかに関わらず、任意の利用可能な端末上で、追加のフレームを作成することができます。Emacsは、グラフィカル端末とテキスト端末の両方を、同時に表示することができます。 これはたとえば、リモート地から同じセッションに接続する際などに便利でしょう。Multiple Terminalsを参照してください。
この述語(predicate)は、objectがフレームなら非nil
、それ以外はnil
をリターンする。フレームにたいしては、フレームが使用するディスプレイの種類の値となる:
t
そのフレームはテキスト端末上で表示されている。
x
そのフレームはXグラフィカル端末上で表示されている。
w32
そのフレームはMS-Windowsグラフィカル端末上で表示されている。
ns
そのフレームはGNUStepまたはMacintosh Cocoaグラフィカル端末上で表示されている。
pc
そのフレームはMS-DOS端末上で表示されている。
この関数は、frameを表示する端末オブジェクトをリターンする。frameがnil
または未指定の場合のデフォルトは、選択されたフレームである。
この述語は、objectが生きた(削除されていない)端末なら非nil
、それ以外はnil
をリターンする。生きた端末にたいしては、リターン値はその端末上で表示されているフレームの種類を示す。可能な値は、上述のframep
と同様。
• Creating Frames: | 追加のフレームの作成。 | |
• Multiple Terminals: | 異なる複数デバイス上での表示。 | |
• Frame Parameters: | フレームのサイズ、位置、フォント等の制御。 | |
• Terminal Parameters: | 端末上のすべてのフレームにたいして一般的なパラメーター。 | |
• Frame Titles: | フレームタイトルの自動的な更新。 | |
• Deleting Frames: | 明示的に削除されるまでフレームは存続する。 | |
• Finding All Frames: | すべての既存フレームを調べる方法。 | |
• Minibuffers and Frames: | フレームが使用するミニバッファーを見つける方法。 | |
• Input Focus: | 選択されたフレームの指定。 | |
• Visibility of Frames: | フレームは可視、不可視、またはアイコン化されているかもしれない。 | |
• Raising and Lowering: | フレームを前面に移動して他のウィンドウを隠し、背面に移動して他のウィンドウがフレームを隠す。 | |
• Frame Configurations: | すべてのフレームの状態の保存。 | |
• Mouse Tracking: | マウス移動時のイベントの取得。 | |
• Mouse Position: | マウスの場所や移動を問い合わせる。 | |
• Pop-Up Menus: | ユーザーに選択させるためのメニューの表示。 | |
• Dialog Boxes: | yes/noを問い合わせるためのボックスの表示。 | |
• Pointer Shape: | マウスポインターのシェイプの指定。 | |
• Window System Selections: | 他のXクライアントとのテキストの転送。 | |
• Drag and Drop: | ドラッグアンドドロップの実装の内部。 | |
• Color Names: | カラー名定義の取得。 | |
• Text Terminal Colors: | テキスト端末のカラーの定義。 | |
• Resources: | サーバーからのリソース値の取得。 | |
• Display Feature Testing: | 端末の機能の判定。 |