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エラーをシグナルするとき、想定するエラーの種類を指定するために、エラーシンボル(error symbol)を指定します。エラーはそれぞれ、それをカテゴリー分けするために、ただ1つのエラーシンボルをもちます。これはEmacs Lisp言語で定義されるエラーの、もっとも良い分類方法です。
これら狭義の分類は、エラー条件(error
conditions)と呼ばれる、より広義のクラス階層にグループ化され、それらはコンディション名(condition
names)により識別されます。そのようなもっとも狭義なクラスは、エラーシンボル自体に属します。つまり各エラーシンボルは、コンディション名でもあるのです。すべての種類のエラー(quit
を除く)を引き受けるコンディション名error
に至る、より広義のクラスにたいするコンディション名も存在します。したがって、各エラーは1つ以上のコンディション名をもちます。つまり、error
、error
とは区別されるエラーシンボル、もしかしたらその中間に分類されるものかもしれません。
シンボルをエラーシンボルとするために、シンボルは親コンディションをとるdefine-error
で定義されなければなりません。この親は、この種のエラーが属するコンディションを定義します。親の推移的な集合は、常にそのエラーシンボルと、シンボルerror
を含みます。quitはエラーと判断されないので、quit
の親の集合は、単なる(quit)
です。
親のコンディションに加えて、エラーシンボルはメッセージ(message)をもち、これは処理されないエラーがシグナルされたときプリントされる文字列です。そのメッセージが有効でない場合、エラーメッセージ‘peculiar error’が使用されます。Definition of signalを参照してください。
内部的には、親の集合はエラーシンボルのerror-conditions
プロパティーに格納され、メッセージはエラーシンボルのerror-message
プロパティーに格納されます。
以下は、新しいエラーシンボルnew-error
を定義する例です:
(define-error 'new-error "A new error" 'my-own-errors)
このエラーは複数のコンディション名 —
もっとも狭義の分類new-error
、より広義の分類を想定するmy-own-errors
、およびmy-own-errors
のコンディションすべてを含むerror
で、これはすべての中でもっとも広義なものです。
エラー文字列は大文字で開始されるべきですが、ピリオドで終了すべきではありません。これはEmacsの他の部分との整合性のためです。
もちろんEmacs自身がnew-error
をシグナルすることはありません。あなたのコード内で明示的にsignal
(Definition of signalを参照してください)を呼び出すことにより、これを行なうことができるのです。
(signal 'new-error '(x y)) error→ A new error: x, y
このエラーは、エラーの任意のコンディション名により処理することができます。以下の例は、new-error
とクラスmy-own-errors
内の他の任意のエラーを処理します:
(condition-case foo (bar nil t) (my-own-errors nil))
エラーが分類される有効な方法は、コンディション名による方法で、その名前はハンドラーのエラーのマッチに使用されます。エラーシンボルは、意図されたエラーメッセージと、コンディション名のリストを指定する便利な方法であるという役割だけです。1つのエラーシンボルではなく、コンディション名のリストをsignal
に与えるのは、面倒でしょう。
対照的に、コンディション名を伴わずにエラーシンボルだけを使用した場合、それはcondition-case
の効果を著しく減少させるでしょう。コンディション名は、エラーハンドラーを記述するとき、一般性のさまざまなレベルにおいて、エラーをカテゴリー分けすることを可能にします。エラーシンボルを単独で使用することは、もっとも狭義なレベルの分類を除くすべてを捨てることです。
主要なエラーシンボルと、それらのコンディションについては、Standard Errorsを参照してください。