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15.1 How Programs Do Loading

Emacs Lispにはロードのためのインターフェイスがいくつかあります。たとえば、autoloadはファイル内で定義された関数にたいしてプレースホルダーとなるオブジェクトを作成します。この関数はオートロードされる関数を呼び出すために、ファイルからその関数の実際の定義の取得を試みます(Autoloadを参照)。requireは、ファイルがまだロードされていない場合にファイルをロードします(Named Featuresを参照)。これらすべての関数は、処理を行うために最終的にloadを呼び出します。

Function: load filename &optional missing-ok nomessage nosuffix must-suffix

この関数はLispコードのファイルを見つけてオープンし、その中のすべてのフォームを評価して、そのファイルをクローズします。

ファイルを見つけるために、まずloadfilename.elcという名前、つまりfilenameに拡張子‘.elc’を足した名前のファイルを探します。このようなファイルが存在したら、それをロードします。その名前のファイルが存在しない場合、loadfilename.elという名前のファイルを探します。このファイルが存在したら、それをロードします。最後に、もしこれらの名前がどちらも見つからなかった場合、loadは何も付け足さないfilenameという名前のファイルを探して、それが存在したらロードします。(load関数にfilenameを認識する賢さはありません。foo.el.elのような正しくない名前のファイルの場合も、(load "foo.el")の評価によりそれを見つけてしまいます。)

Auto Compressionモードが有効(残念ながらデフォルトでは有効ですが)の場合、loadは他のファイル名を試みる前に圧縮されたバージョンのファイル名を探すので、ファイルを見つけることができません。圧縮されたファイルが存在したら、それを解凍してロードします。loadはファイル名にjka-compr-load-suffixes内の各サフィックスを足して、圧縮されたバージョンを探します。この変数の値は、文字列のリストでなければなりません。標準的な値は(".gz")です。

オプション引数nosuffixが非nilの場合loadはサフィックス‘.elc’と‘.el’を試みません。この場合、ロードしたいファイルの正確な名前を指定しなければなりません。ただしAuto Compressionモードが有効な場合には、loadは圧縮されたバージョンを探すために、jka-compr-load-suffixesを使用します。正確なファイル名の指定と、、nosuffixにたいしてtを使用することにより、foo.el.elのような名前のファイルにたいするロードの試みを抑止できます。

オプション引数must-suffixが非nilの場合、loadはロードに使用されるファイルの名前に明示的にディレクトリー名が含まれていなければ、ファイル名が‘.el’か‘.elc’で終わること(あるいは圧縮による拡張子が付加されているかもしれません)を要求します。

オプションload-prefer-newerが非nilの場合、loadはサフィックスを検索するとき、どのファイルであっても(‘.elc’、‘.el’など)、もっとも最近変更されたファイルのバージョンを選択します。

filenamefoobaz/foo.barのような相対ファイル名の場合、loadは変数load-pathを使用してそのファイルを探します。これはload-path内にリストされた各ディレクトリーにfilenameを追加して、最初に見つかったら名前のマッチするファイルをロードします。デフォルトディレクトリーを意味するnilload-pathで措定されたときだけ、カレントデフォルトディレクトリーを試みます。loadload-path内の最初のディレクトリーで利用可能な3つのサフィックスすべてを試行してから、2つ目のディレクトリーで3つのサフィックスすべてを試行する、というようにファイルを探します。Library Searchを参照してください。

最終的に見つかったファイル、およびEmacsがそのファイルを見つけたディレクトリーが何であれ、Emacsはそのファイル名を変数load-file-nameの値にセットします。

foo.elcfoo.elより古いと警告された場合、それはfoo.elのリコンパイルを考慮すべきことを意味します。Byte Compilationを参照してください

(コンパイルされていない)ソースファイルをロードしたとき、Emacsがファイルをvisitしたときと同じようにloadは文字セットの変換を行います。Coding Systemsを参照してください。

コンパイルされていないファイルをロードするとき、Emacsはそのファイルに含まれる任意のマクロ(Macrosを参照)を展開します。わたしたちはこれをeagerマクロ展開(eager macro expansion)と呼んでいます。(関連するコードを実行するまで展開を延期するのではなく)これを行うことにより、コンパイルされていないコード実行のスピードが明らかに向上します。このマクロ展開は、循環参照により行うことができないときもあります。これの一番簡単な例は、ロードしようとしているファイルが他のファイルで定義されているマクロを参照しているが、そのファイルはロードしようとしているファイルを必要としている場合です。これは一般的には無害です。Emacsは問題の詳細を与えるために警告(‘Eager macro-expansion skipped due to cycle…’)をプリントしますが、単にその時点ではマクロを展開せずに、そのファイルはロードされます。あなたはこの問題が発生しないように、コードをリストラクチャーしたいと思うかもしれません。コンパイル済みファイルでは、マクロ展開はコンパイル時に行われるので、ロード時のマクロ展開は行われません。Compiling Macrosを参照してください。

nomessageが非nilでない場合は、ロードの間、エコーエリアに‘Loading foo...’や‘Loading foo...done’のようなメッセージが表示されます。

ファイルをロードする間のハンドルされないエラーは、ロードを終了させます。autoloadのためのロードの場合、ロードの間に定義された任意の関数定義は元に戻されます。

loadがロードするファイルを見つけられなかった場合、通常は(‘Cannot open load file filename’のメッセージとともに)エラーfile-errorがシグナルされます。しかしmissing-okが非nilの場合、loadは単にnilをリターンします。

式の読み取りにたいしてloadreadのかわりに使用する関数を指定するために、変数load-read-functionを使用できます。以下を参照してください。

ファイルが正常にロードされた場合、loadtをリターンします。

Command: load-file filename

このコマンドは、ファイルfilenameをロードします。filenameが相対ファイル名の場合は、カレントデフォルトディレクトリーとみなされます。このコマンドは、load-pathを使用せず、サフィックスの追加もしません。しかし、(Auto Compressionモードが有効な場合は)圧縮されたバージョンの検索を行います。ロードするファイル名を正確に指定したい場合は、このコマンドを使用してください。

Command: load-library library

このコマンドはlibraryという名前のライブラリーをロードします。このコマンドは、引数を読み取る方法がインタラクティブであることを除き、loadと同じです。Lisp Libraries in The GNU Emacs Manualを参照してください。

Variable: load-in-progress

この変数は、Emacsがファイルをロード中のときは非nil、それ以外はnilです。

Variable: load-file-name

このセクションの最初に説明した検索でEmacsがファイルを見つけて、そのファイルをロード中のとき、この変数の値はそのファイルの名前です。

Variable: load-read-function

この変数は、loadeval-regionが式の読み取るために、readのかわりに使用する関数を指定します。指定する関数はreadと同様、引数が1つの関数です。

通常、この変数の値はnilで、これはそれらの関数がreadを使用すべきことを意味します。

この変数を使用するかわりに、別の新たな方法を使用するほうが明確です。eval-regionread-function引数に、その関数を渡す方法です。Evalを参照してください。

Emacsのビルドでloadがどのように使用されているかについての情報は、Building Emacsを参照してください。