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11.9 Scoping Rules for Variable Bindings

ある変数にたいするローカルバインディングを作成するとき、そのバインディングはプログラムの限られた一部だけに効果をもちます(see Local Variables)。このセクションでは、これが正確には何を意味するかについて説明します。

ローカルバインディングはそれぞれ、個別にスコープ(scope: 範囲という意味)エクステント(extent: これも範囲を意味する)をもちます。スコープは、そのバインディングにアクセスできるのが、テキストのソースコードのどこ(where)であるかを示します。エクステントは、プログラムの実行中に、そのバインディングが存在するのがいつ(when)であるかを示します。

デフォルトでは、Emacsが作成したローカルバインディングは、ダイナミックバインディング(dynamic binding)です。このようなバインディングは、ダイナミックスコープ(dynamic scope)をもち、それはプログラムの任意の範囲が、その変数バインディングにアクセスするかもしれないことを意味します。これはダイナミックエクステント(dynamic extent)ももちます。これはそのバインディング構造(letフォームのbodyなど)が実行される間だけ、そのバインディングが存続することを意味します。

Emacsはオプションでレキシカルバインディング(lexical binding)を作成することができます。レキシカルバインディングはレキシカルスコープ(lexical scope)をもち、これはその変数にたいする任意の参照が、バインディング構造内にテキスト的に配置されなければならないことを意味します7。レキシカルバインディングは不定エクステント(indefinite extent)ももちます。これは、ある状況下において、クロージャー(closures)と呼ばれるスペシャルオブジェクトにより、バインディング構造が実行を終えた後でさえも、存続を続けることを意味します。

以降のサブセクションでは、ダイナミックバインディングとレキシカルバインディング、およびEmacs Lispプログラムでレキシカルバインディングを有効にする方法について、より詳細に説明します。


Footnotes

(7)

これには、いくつか例外があります。たとえば、レキシカルバインディングは、Lispデバッガーからもアクセスできます。