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30.1 Diredの起動

Diredを呼び出すには、C-x d (dired)とタイプします。これはミニバッファーを使用してディレクトリー名を読み取り、そのディレクトリーのファイルを一覧するするDiredバッファーを開きます。ミニバッファーの引数に、ワイルドカードによるファイル名パターンを与えることもできます。この場合、Dliredバッファーには、そのパターンにマッチする、すべてのファイルが一覧されます。ディレクトリー部分にワイルドカードが出現することもあります。たとえば、

C-x d  ~/foo/*.el  RET
C-x d  ~/foo/*/*.el  RET

1つ目の例は、ディレクトリー‘foo’内の、拡張子‘.el’のすべてのファイルをリストします。2つ目の例は、‘foo’のすべてのサブディレクトリー内の、拡張子‘.el’のファイルをリストします。

ミニバッファー内では、通常のヒストリー、および補完のコマンドが使用できます。特に、M-nは(もしあれば)visitされているファイルの名前を配します(Minibuffer Historyを参照)。

C-x C-f (find-file)にディレクトリー名を与えて、Diredを呼び出すこともできます。

変数dired-listing-switchesは、ディレクトリーをリストするために、lsに与えるオプションを指定します。この文字列には、‘-l’が含まれていなければなりませんdiredコマンドにプレフィクス引数を使用した場合、ディレクトリーの指定の前に、lsのためのスイッチを指定できます。スイッチが指定される方法は問いません。lsのスイッチには、引数を要求しない短いオプション(1文字)と、長いオプション(‘--’で始まり、引数は‘=’で指定される)を含めることができます。

システムのlsコマンドが‘--dired’オプションをサポートする場合、Diredは自動的にそのオプションを渡します。これにより、Diredが名前を解析できないという特殊なファイル名にたいして、lsが特別なエスケープシーケンスを付します。Emacsセッションで最初にDiredを実行するとき、lsコマンドに‘--dired’オプションを指定して呼び出すことにより、そのスイッチをサポートするかどうかチェックします。exitコードが0の場合、それ以降Diredは‘--dired’オプションを使用し、それ以外の場合は使用しません。変数dired-use-ls-diredをカスタマイズすることにより、このチェックを抑止することができます。値unspecified(デフォルト)は、チェックを行なうことを意味します。その他の非nil値は、‘--dired’オプションを使用することを意味します。nilは、‘--dired’オプションを使用しないことを意味します。

MS-WindowsやMS-DOSシステム、およびいくつかのリモートシステムでは、Emacsがlsをエミュレートします。このエミュレーションのオプションと特性については、ls in Lispを参照してください。

Diredバッファーを他のウィンドウに表示するには、C-x 4 d (dired-other-window)を使用します。C-x 5 d (dired-other-frame)は、Diredバッファーを別のフレームに表示します。

q (quit-window)とタイプすると、Diredバッファーは隠され(bury)ます。ウィンドウがそのバッファーのためだけに作成された場合は、そのウィンドウを削除します。