C-h f function RET
(describe-function
)は、Lisp関数functionのドキュメントをウィンドウに表示します。コマンドもLisp関数なので、この方法を使えば、名前を知っている任意のコマンドのドキュメントを閲覧できます。たとえば
C-h f auto-fill-mode RET
はauto-fill-mode
のドキュメントを表示します。これはキーにバインドされていないコマンド(通常M-xで実行する)のドキュメントを閲覧する、唯一の方法です。
C-h fは、LispプログラムからLisp関数を使うときも便利です。たとえば式(make-vector
len)
を書いたとしましょう。正しく(make-vector len)
を使っているかチェックしたいときは、C-h f
make-vector RETと入力します。C-h
fはコマンド名だけでなくすべての関数名を許容するので、M-xでは機能するいつもの補完による短縮形が、C-h
fでは機能しないと気付くかもしれません。コマンド名では省略形が一意であっても、すべての関数名を含めたら一意ではないかもしれないからです。
C-h f
RETを入力すると、バッファーのポイントがある位置の、一番内側のLisp式で呼び出されている関数の名前が有効で、Lisp関数として定義されていれば、その関数の説明が表示されます(引数を入力するときデフォルトとして関数名が表示されます)。たとえばポイントが‘(make-vector
(car x)’の後ろにあるとき、ポイントを含む一番内側のリストは‘(make-vector’で始まっているので、C-h f
RETにより関数make-vector
の説明が表示されます。
C-h fは、関数名を正しく記述しているか確かめたいときも便利です。C-h fのミニバッファーのプロンプトで、編集中のバッファーの関数名がデフォルトとして表示されるなら、それは定義されたLisp関数であることを意味します。本当にドキュメントを見たい訳でなければ、C-gを押してコマンドC-h fをキャンセルできます。
C-h v (describe-variable
)は、C-h
fと似ていますがLisp関数ではなく、Lisp関数の説明を表示します。ポイントの周囲または前にあるLispシンボルが、定義されたLisp変数名のときはそれがデフォルトとなります。Variablesを参照してください。
通常Emacsの変数または関数を説明するヘルプバッファーには、ソースファイルがインストールされていれば、対応するソースコードへのハイパーリンクが含まれています(Hyperlinkingを参照してください)。
マニュアルからコマンドのドキュメントを探すには、C-h F
(Info-goto-emacs-command-node
)を使います。これはEmacsのマニュアルだけでなく、さまざまなマニュアルを認識するので、正しいものを見つけられるでしょう。
C-h o (describe-symbol
)は、C-h fやC-h
vと似ていますが、これは任意のシンボル(関数、変数、フェイス)を説明します。シンボルが複数の定義をもつ場合(たとえばシンボルが関数と変数の両方の定義をもつような場合)、このコマンドはそれらすべてのドキュメントを順に表示します。