C.4.3 MS-Windowsのシステムレジストリー

MS-Windowsでは環境変数emacs_dirEMACSLOADPATHEMACSDATAEMACSPATHEMACSDOCSHELLTERMHOMELANGPRELOAD_WINSOCKをシステムレジストリーのセクションHKEY_CURRENT_USERHKEY_LOCAL_MACHINEにある/Software/GNU/Emacsキー配下でもセットできます。Emacsの起動時には環境のチェックと同じように、システムレジストリーでもこれらの変数をチェックします。

これらの変数の値を決定するために、Emacsは次の手順にしたがいます。最初に環境がチェックされます。そこで変数が見つからない場合、Emacsは/Software/GNU/Emacs配下で変数名でレジストリーキーを探します。最初にレジストリーのHKEY_CURRENT_USERセクション、そこで見つからなければ、HKEY_LOCAL_MACHINEセクションを探します。それでもなおEmacsが値を決定できない場合には、コンパイルされているデフォルトが使用されます。

レジストリーの設定はシステム全体にグローバルな影響を与えることに注意してください。これらの設定はそのシステム上で実行されるEmacsセッションすべてに影響します。したがって異なるバージョンのEmacsを実行したり、インストール済みとまだインストールされていないEmacs実行可能ファイルの両方を使用する場合や、新しいバージョンのEmacsをビルドする場合には、このレジストリー設定によってそれらすべてが同じディレクトリーを使用することとなり、恐らくそれはあなたの期待した動作ではない筈です。この理由により、レジストリーでこれらの変数を設定しないことをお勧めします。レジストリー内でこれらの設定を行っている場合には、削除することをお勧めします。

MS-Windows用のEmacsインストールプログラムaddpm.exeを実行すると、そのaddpm.exeが付属していたインストール済みのEmacsのバージョンに相応しい値となるようにemacs_dirEMACSLOADPATHEMACSDATAEMACSPATHEMACSDOCSHELLTERMの既存のレジストリー設定を更新します。addpm.exeは存在しないレジストリー設定の作成は行わず、恐らくほとんどが古いインストール済みEmacsから継承された既存の設定だけを、新たにインストールしたバージョンのEmacsと互換性があるように更新することに注意してください。最近のバージョンのEmacsではインストール時にaddpm.exeを実行する必要はなくなったので、古いバージョンからのアップグレードを行う際に古いバージョンの設定を何らかの理由によりレジストリーから削除できない場合のみこれを行うことをお勧めします。

上記の環境変数に加えて、Xリソース(Xのオプションとリソースを参照)を指定するために/Software/GNU/Emacsのレジストリーキーにセッティングを追加することもできます。.Xdefaultsファイル内で指定可能なほとんどのセッティングを、そのレジストリキーからセットできます。

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