C-h i
(info
)はinfoプログラムを実行します。infoは構造化されたドキュメントファイルを閲覧するものです。C-h 4 i
(info-other-window
)は同じことを行いますが、別のウィンドウにInfoバッファーを表示します。Emacsマニュアル全体は、GNUシステムのための他のマニュアルとともにinfoで利用可能です。infoを開始した後にhをタイプすると、infoの使い方のチュートリアルが実行されます。
数引数nを指定すると、C-h iはinfoバッファー‘*info*<n>’を選択します。これは同時に複数のinfoマニュアルを閲覧するとき便利です。プレフィクス引数C-uだけを指定した場合、C-h iはドキュメントのファイル名を尋ねるので、infoメニューのトップレベルにエントリーがないファイルでも閲覧できます。
上記で説明しているヘルプコマンドC-h F function RETとC-h K keyは、infoを実行して関数(function)またはキー(key)に関するドキュメントを直接開きます。
プログラムを編集しているとき、そのプログラム言語のinfo版のマニュアルを持っていれば、C-h S
(info-lookup-symbol
)を使ってシンボル(キーワード、関数、変数)のエントリーを、適切なマニュアルから探すことができます。コマンドがどのように動作するかの詳細は、メジャーモードに依存します。
何か予期しないことが起こって、何をタイプしたかわからなくなったときは、C-h l
(view-lossage
)を使います。C-h
lは最近のキーストロークと、それらが呼び出したコマンドを表示します。デフォルトでは、
Emacsは最近の300回分のキーストロークを保持します。これを変更したければ、コマンドlossage-size
で回数を変更できます。馴染みのないコマンドを見つけたら、C-h
kやC-h fを使用して、それらのコマンドが何を行なうか調べることができます。
最近のエコーエリアのメッセージを調べるには、C-h e
(view-echo-area-messages
)を使います。これはそれらのメッセージを保持するバッファー、*Messages*を表示します。
Emacsの各メジャーモードでは、一般的にいくつかのキーが再定義されていて、編集動作も異なります。C-h m
(describe-mode
)は、現在のメジャーモードのドキュメントを表示します。これには通常このモードで変更されているコマンドや機能、およびそれらのキーバインドについても説明されています。
C-h b (describe-bindings
)とC-h s
(describe-syntax
)は、現在のEmacs環境に関する、それ以外の情報を表示します。最初は現在のマイナーモードのローカルバインディング、次に現在のメジャーモードで定義されているローカルバインディング、最後にグローバルバインディングが表示されます。C-h
sは各文字の構文の説明とともに、構文テーブルの内容を表示します(Syntax Tables in The Emacs Lisp Reference Manualを参照してください)。
C-h C-q
(help-quick-toggle
)はもっともよく使われるEmacsのコマンドとそれらのキーバインディングを表示するバッファー(“cheat
sheet”、いわゆる早見表)の表示のオンとオフを切り替えます。このバッファーの内容はコマンドhelp-quick
によって作成されます。このバッファーで表示されているキーバインディングはボタンになっています。mouse-1かmouse-2でクリックすれば、そのキーシーケンスにバインドされているコマンドのドキュメントが表示されます。
プレフィクスキーの後にC-h、?、F1をタイプすることにより、特定のプレフィクスキーにたいする、サブコマンドのリストを得ることができます(この方法が機能しないプレフィクスキーもあり、たとえばESCを例にするとESC
C-hは実際にはC-M-h (mark-defun
)、ESC ?はM-?
(xref-find-references
)だが、ESC F1はうまく機能する)。
最後にM-x describe-keymapは補完つきでキーマップ名の入力を求めて、そのキーマップ内のすべてのキーバインディングのリストを表示します。