29.6.5.6 その他のGDBバッファー

M-x gdbが提供するバッファーのうち、オプションとして表示を要求できるバッファーとして、他にも以下のバッファーがあります:

Localsバッファー

このバッファーは、カレントのスタックフレームのローカル変数の値を、簡単なデータ型で表示します(Information on a frame in The GNU debuggerを参照)。値を編集したいときは、そこでRETを押すか、mouse-2でクリックしてください。

配列と構造体については、その型だけが表示されます。GDB 6.4以降では、ポイント位置でRETをタイプ、またはmouse-2でクリックすることにより、ローカル変数の値を調べることができます。それより前のバージョンのGDBでは、型の説明(‘[struct/union]’または‘[array]’)にたいして、RETまたはmouse-2を使用します。ウォッチ式を参照してください。

Localsバッファーを表示するにはM-x gdb-display-locals-bufferとタイプしてください。

I/O Buffer

デバッグ中のプログラムが標準入力や標準出力のストリームを用いてユーザーと対話していたり、あるいは無視できない量の出力を標準出力に出力する場合には、GDBとの対話とプログラムのI/Oを分離したいと思うかもしれません。コマンドM-x gdb-display-io-bufferを使えば、デバッグ中のプログラムからの入出力をEmacsがリダイレクトするためのバッファー用にウィンドウを表示させることができます。ただし変数gdb-display-io-buffernilだとEmacsはI/Oバッファーを個別に作成したり表示もしないかわりに、プログラムとの対話をGUDインタラクションバッファーにリダイレクトします。

Registersバッファー

このバッファーは、レジスターに保持されている値を表示します(Registers in The GNU debuggerを参照)。このバッファーの表示を要求するコマンドはM-x gdb-display-registers-bufferです。値を編集したいときは、そのレジスターでRETを押すか、mouse-2をクリックします。GDB6.4以降では、最近変化したレジスター値は、font-lock-warning-faceで表示されます。

Assemblerバッファー

assemblerバッファーは、カレントフレームをマシン語コードで表示します。矢印はカレント命令を指し、sourceバッファーのようにブレークポイントのセットと削除ができます。ブレークポイントのアイコンも、フリンジまたは余白に表示されます。このバッファーの表示を要求するコマンドはM-x gdb-display-disassembly-bufferです。

Memoryバッファー

memoryバッファーは、プログラムのメモリーセクションを調べるためのバッファーです(Examining memory in The GNU debuggerを参照してください)。ヘッダー行の適切な箇所をmouse-1でクリックすることにより、そのバッファーが表示するメモリーの開始アドレス、またはデータアイテムの数が変化します(またはSおよびNを使用)。ヘッダー行をmouse-3でクリックすることにより、データアイテムのフォーマット、またはユニットサイズのどちらを表示するか選択します。このバッファーの表示を要求するコマンドはM-x gdb-display-memory-bufferです。

gdb-many-windowsが非nilの場合、breakpointsバッファーとthreadsバッファーがウィンドウを共有するように、localsバッファーとregistersバッファーもウィンドウを共有します。一方から他方へ切り替えるには、ヘッダー行の関連するボタンをmouse-1でクリックしてください。

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