コマンドM-x list-packagesは、パッケージメニュー(package menu)を立ち上げます。これはEmacsが把握するすべてのパッケージをリストするバッファーです。リストの各行には以下の情報が表示されます:
list-packages
は、パッケージアーカイブサーバーから利用可能なパッケージのリストを取得するために、ネットワークにアクセスします。ネットワークが利用できない場合、一番最近取得したリストにフォールバックします。
パッケージリストバッファーで主に使うことになるコマンドがxコマンドです。ポイント位置にあるパッケージがまだインストールされていなければ、このコマンドがそのパッケージをインストールします。そしてもしインストール済みのパッケージなら、このコマンドはそのパッケージを削除するのです。
パッケージメニューでは、以下のコマンドが利用可能です:
パッケージメニューの使い方を要約した短いメッセージを表示します(package-menu-quick-help
)。
カレント行のパッケージにたいして、C-h
Pコマンド(Emacs Lispパッケージを参照してください)により表示されるヘルプウィンドウと同様の、ヘルプバッファーを表示します(package-menu-describe-package
)。
カレント行のパッケージをインストールのためにマークします(package-menu-mark-install
)。パッケージのステータスが‘available’の場合、行の先頭に文字‘I’を追加します。xとタイプすると、パッケージをダウンロードしてインストールします(以下参照)。
カレント行のパッケージを削除のためにマークします(package-menu-mark-delete
)。パッケージのステータスが‘installed’の場合、行の先頭に文字‘D’を追加します。xとタイプすると、パッケージを削除します(以下参照)。パッケージ削除の結果、何が起こるかについての情報は、パッケージのファイルとディレクトリーを参照してください。
カレント行にあるパッケージのウェブサイトをブラウザでオープンします。ブラウザのオープンにはbrowse-url
を使用します。
削除のためにすべての時代遅れのパッケージobsolete
packagesをマークします(package-menu-mark-obsolete-for-deletion
)。これは状態が‘obsolete’の、すべてのパッケージを削除のためにマークします。
iやdコマンドによりカレント行に追加された、以前のインストールや削除マークを外します(package-menu-mark-unmark
)。
新しいバージョンが利用可能なパッケージすべてをアップグレード用にマークします(package-menu-mark-upgrades
)。このコマンドによって利用可能な新たなバージョンにはインストール用のマーク、インストール済みの古いバージョンには(‘obsolete’という状態のマークとともに)削除用のマークがつけられます。デフォルトではビルトインパッケージには利用可能な新しいバージョン用にマークしませんが、package-install-upgrade-built-in
をカスタマイズして変更できます。パッケージのインストールを参照してください。package-install-upgrade-built-in
を非nil
値にカスタマイズする場合には、上書きされたくないビルトインパッケージの更新を避けるために、Uコマンドがマークしたビルトインパッケージすべてを確認してください。
iでマークされたすべてのパッケージをダウンロードしてインストールするとともに、dでマークされたすべてのパッケージを削除します(package-menu-execute
)。これによりマークは削除されます。マークされているパッケージがなければ、このコマンドはポイントの下にあるパッケージのインストール(インストール済みでない場合)、またはパッケージの削除(インストール済みの場合)を行います。
パッケージリストを更新します(revert-buffer
)。これは再度パッケージアーカイブから利用可能なパッケージのリストを取得してパッケージリストを再表示します。
名前がregexpにマッチするパッケージを非表示にします(package-menu-hide-package
)。これはregexpの入力を求めて名前がマッチするパッケージを非表示にします。regexpのデフォルト値はポイント位置の名前のパッケージだけを非表示にするので、プロンプトで単にRETを押下するとカレントパッケージだけを非表示にします。
古いバージョンのパッケージ、および優先度低のアーカイブから取得したバージョンの可視性を切り替えます(package-menu-toggle-hiding
)。
パッケージリストをアーカイブでフィルターします(package-menu-filter-by-archive
)。これはアーカイブ(例:
‘gnu’)の入力を求めて、そのアーカイブ由来のパッケージだけを表示します。アーカイブ名をカンマで区切ってタイプすれば、複数のアーカイブを指定できます。
description(説明)によりパッケージリストをフィルターします(package-menu-filter-by-description
)。これは正規表現の入力を求めて、そのregexpにマッチするdescriptionのパッケージだけを表示します。
パッケージリストをキーワードでフィルターします(package-menu-filter-by-keyword
)。これはキーワード(例:
‘games’)の入力を求めて、そのキーワードのパッケージだけを表示します。キーワードをカンマで区切ってタイプすれば、複数のキーワードを指定できます。
名前やdescriptionによりパッケージリストをフィルターします(package-menu-filter-by-name-or-description
)。これは正規表現の入力を求めて、そのregexpに名前かdescriptorがマッチするパッケージだけを表示します。
名前によりパッケージリストをフィルターします(package-menu-filter-by-name
)。これは正規表現の入力を求めて、そのregexpにマッチする名前のパッケージだけを表示します。
パッケージリストをstatus(状態)でフィルターします(package-menu-filter-by-status
)。これは1つ以上のstatus(‘available’等,
パッケージのステータスを参照)の入力を求めて、そのstatusにマッチするパッケージだけを表示します。statusをカンマで区切ってタイプすれば、複数のstatusを指定できます。
パッケージリストをバージョンでフィルターします(package-menu-filter-by-version
)。これはまずバージョン文字列にたいする比較シンボルとして‘<’、‘>’、‘=’いずれかの入力を求めて、それに応じてタイプしたバージョンより小さい、大きい、あるいは等しいバージョンのパッケージを表示します。
非空のマークでパッケージリストをフィルターします(package-menu-filter-marked
)。これはインストールまたは削除とマークされたパッケージだけを表示します。
利用可能なアップグレードが存在するパッケージだけを表示するようパッケージリストをフィルターします(package-menu-filter-upgradable
)。このフィルターはデフォルトでは、ビルトインパッケージでは新しいバージョンが利用可能でも除外しますが、これはpackage-install-upgrade-built-in
をカスタマイズして変更できます。パッケージのインストールを参照してください。
カレントで適用されたパッケージリストのフィルターをクリアします(package-menu-filter-clear
)。
たとえばパッケージをインストールするには、そのパッケージの行でiをタイプしてから、xをタイプします。