すべてのPostScriptハードコピーコマンドは、どのように出力を印刷するかの指定に、変数ps-lpr-command
とps-lpr-switches
を使用します。ps-lpr-command
は実行するコマンド名、ps-lpr-switches
は使用するコマンドラインオプション、ps-printer-name
はプリンターを指定します。最初の2つの変数をセットしない場合、変数の初期値をlpr-command
とlpr-switches
から取得します。ps-printer-name
がnil
の場合、printer-name
が使用されます。
変数ps-print-header
は、これらのコマンドが各ページにヘッダー行を追加するかを制御します。これをnil
にセットするとヘッダーはオフになります。
プリンターがカラーをサポートしない場合は、ps-print-color-p
をnil
にセットして、カラー処理をオフにするべきです。デフォルトでは、ディスプレイがカラーをサポートしていれば、Emacsはカラー情報をもったハードコピー出力を生成します。モノクロプリンターでは、カラーはグレーの濃淡でエミュレートされます。スクリーンカラーがグレーの濃淡だけしか使用していなくても、これはほとんど読み取れないか、読みにくい出力を生成するかもしれません。
モノクロプリンターでより良いカラー表示を得るために、ps-print-color-p
にblack-white
をセットすることもできます。これはboldとitalicのフェイス属性で補強された、カスタマイズ可能なグレースケールのリストによりカラーを表現するためのps-black-white-faces
お情報を使用することにより機能します。
デフォルトでは、変数ps-use-face-background
が非nil
でなければ、PostScript印刷はフェイスのバックグラウンドカラーは無視します。これは望ましくないゼブラストライプや、バックグラウンドイメージとテキストの干渉を避けるためです。
変数ps-paper-type
は、フォーマットする用紙サイズを指定します。妥当な値にはa4
、a3
、a4small
、b4
、b5
、executive
、ledger
、legal
、letter
、letter-small
、statement
、tabloid
が含まれます。デフォルトはletter
です。変数ps-page-dimensions-database
を変更することにより、追加の用紙サイズを定義できます。
変数ps-landscape-mode
は、ページの印刷向きを指定します。デフォルトはnil
で、これは縦向き印刷モード(portrait
mode)を意味します。非nil
値は横向き印刷モード(landscape mode)を指定します。
変数は列番号を指定します。この変数は横向きモードと縦向きモードの両方で効果をもちます。デフォルトは1です。
変数ps-font-family
は、通常のテキストを印刷するために使用するフォントファミリーを指定します。妥当な値には、Courier
、Helvetica
、NewCenturySchlbk
、Palatino
、Times
が含まれます。変数ps-font-size
は、通常のテキストのためのフォントサイズを指定し、デフォルトは8.5ポイントです。ps-font-size
の値には、2つの浮動小数点によるコンスでも指定できます。その場合、1つは縦向き印刷モード、もう一方は横向き印刷モードでの指定です。
Emacsは、通常のPostScriptプリンターより多くのスクリプトと文字をサポートします。したがってバッファーのいくつかの文字は、プリンターに組み込まれたフォントを使って印刷できないかもしれません。プリンターが提供するフォントをGNU
Intlfontsパッケージのフォントで増強したり、EmacsにIntlfontsフォントだけを使うように命令できます。変数ps-multibyte-buffer
がこれを制御します。デフォルト値のnil
は、ASCIIおよびLatin-1文字を印刷するのに適しています。non-latin-printer
は、プリンターにASCII、Latin-1、Japanese、Korean文字にたいするフォントが組み込まれている場合の値です。すべての文字にたいして使用される、IntlfontsパッケージのBDFフォントのための値がbdf-font
です。最後に値bdf-font-except-latin
は、ASCIIおよびLatin-1文字にたいしては組み込みフォントを使用し、それ以外の文字にたいしてはIntlfontsのBDFフォントを使用するよう指示します。
BDFフォントを使えるようにするには、それをどこで見つけることができるかを、Emacsが知る必要があります。変数bdf-directory-list
は、Emacsがこれらのフォントを探すべきディレクトリーのリストを保持します。デフォルト値には、1つのディレクトリー/usr/local/share/emacs/fonts/bdfが含まれます。
これらのコマンドに対する、その他多くのカスタマイズ変数は、Lispファイルps-print.elおよびps-mule.elで定義・説明されています。