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16.12 テキストのスケール

カレントバッファーのdefaultフェイスのフォントサイズを大きくするには、C-x C-+またはC-x C-=、小さくするにはC-x C--をタイプします。デフォルトのフォントサイズ(グローバル)に復元するには、C-x C-0とタイプします。これらのキーは、すべて同じコマンドtext-scale-adjustにバインドされています。このコマンドは最後にタイプされたキーを判断してどの処理を行うかを判断、処理に応じてデフォルトフェイスの高さを変更してフォントサイズを調節します。

多くのフェイスの:height属性には明確なセッティングがされておらず、高さをdefaultフェイスから継承するものがほとんどです。したがって上記のコマンドによってこれらのフェイスもスケーリングされます。

default以外で:height属性に明確なセッティングをもつフェイスでは、これらのフォントサイズの影響を受けません。ただしheader-lineフェイスは例外です。たとえ:height属性に明確なセッティングがあっても、このフェイはスケーリングされます。

同様にマウスポインターがバッファーテキスト上にある際にCtrl修飾キーを押下してマウスホイールをスクロールすると、スクロール方向に応じて影響を受けるフェイスのフォントサイズを増加あるいは減少します。

これらのコマンドの最後のキーは、C-xを前置せず修飾キーなしで繰り返すことができます。たとえばC-x C-= C-= C-=C-x C-= = =は、どちらもフェイスの大きさを3段階に大きくします。各ステップで大きくなる倍率は1.2です。この倍率を変更するには、変数text-scale-mode-stepをカスタマイズします。text-scale-adjustコマンドに数引数0を指定すると、C-x C-0とタイプしたのと同様に、デフォルトの大きさに復元します。

同様にフォントサイズをグローバルに変更するにはC-x C-M-+C-x C-M-=C-x C-M--C-x C-M-0、あるいは修飾キーのCtrlMetaを両方押したままマウスホイールをスクロールしてください。フォントのサイズがグローバルに変更された際のフレーズのリサイズを有効にするには、変数global-text-scale-adjust-resizes-framesをカスタマイズしてください(Easy Customizationインターフェースを参照)。

コマンドtext-scale-increasetext-scale-decreaseは、C-x C-+C-x C--と同じようにカレントバッファーのフォントサイズを増加または減少させます。キーをバインドする場合には、これらのコマンドのほうがtext-scale-adjustより便利でしょう。

コマンドtext-scale-setは、数引数でカレントバッファーのフォントサイズを絶対倍率で指定します。

上記のコマンドは、現在のフォント倍率が1以外のときは、自動的にマイナーモードtext-scale-modeを有効にし、そうでない場合は無効にします。

コマンドtext-scale-pinchはタッチパッドに2本の指を置いて、互いに近づけたり離したりというピンチジェスチャーを行った際に、指の間の距離にもとづいてテキストのサイズを拡大あるいは縮小します。このコマンドはサポートされているハードウェアをもつ一部のシステムでのみ利用できます。

コマンドmouse-wheel-text-scaleでもテキストのスケールの変更ができます。このコマンドは、通常はCtrlを押したままマウスホイールを動かすことにより実行されます。テキストのスケーリングはホイールを下方に動かすと拡大、上方に動かすと縮小されます。

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