タッチスクリーン入力では、フレームを表示しているモニターやコンピューター端末上にツール(指やタッチペンのようなポインティングデバイスによってインスタンス化される)を置いて移動することでフレームのコンテンツを操作します。
このようなツールが置かれると、順序と位置という2つのファクターがジェスチャー(gestures)と呼ばれる事前定義されたパターンと比較されます。その後にこれらのファクターと一致するジェスチャーが指定した一連のアクションがツールの下のテキストに実行されます。現在のところ認識可能なジェスチャーは以下のとおりです:
mouse-1
にバインドされた任意のコマンドを実行します。そこにリンク(マウスで参照をフォローするを参照)が存在する場合には、Emacsはそのリンクをフォローします(アクションがmouse-1
イベントのエミュレーション時のアクションと異なる場合にかぎる)。
touch-screen-enable-hscroll
はこのジェスチャーへの反応として水平スクロール(水平スクロールを参照)を行うかどうかを管理します。
mouse-1
を押したまま動かしたかのように移動します。編集のためのマウスコマンドを参照してください。
テキスト選択にとって不利なのは、ツールをタッチスクリーンのディスプレイ上に正確に配置することが難しいかもしれないことです。ユーザーオプションtouch-screen-word-select
が有効の場合には、ツールの下にある完全な単語をドラッグするかどうか確認を求めます(通常だとツールの下の文字を含む分だけ選択が拡張される)。
同様にすべてのテキストを1回のジェスチャーで選択するのは難しいかもしれません。ユーザーオプションtouch-screen-extend-selection
が有効の場合には、ウィンドウのポイントかマークの位置をタップすると“ドラッグ”の新たなジェスチャーが開始されて、以降の移動の方向にリージョンが拡大されます。
カーソルがツールで物理的に隠れていることが領域の正確な調整を難しくしています。これはエコーエリアにポイントの位置を示すことで解決できます。touch-screen-preview-select
が非nil
の場合には、ポイントを取り囲む行がエコーエリア(エコーエリアを参照)に表示されて、ツールの移動中には最初の位置からの相対的な位置を示す別の行が下に表示されます。
ツールをスクリーン上に置いて0.7秒を超えると、Emacsが長押し(long-press)を登録します。この遅延は変数touch-screen-delay
をカスタマイズして調節できます。