このセクションでは、他のどれにも当てはまらないWindows固有の機能について説明します。
変数w32-use-visible-system-caret
は、システムカレット(system
caret)を可視にするか決定するフラグです。スクリーンリーダーソフトウェアーが使用されていないときのデフォルトはnil
で、これはEmacsがポイント位置を示すために自分でカーソルを描画することを意味します。非nil
値は、Emacsがシステムカレットでポイント位置を示すことを意味します。これはスクリーンリーダーソフトウェアーの使用を容易にし、そのようなソフトウェアーがEmacsの実行を検知したときのデフォルトになります。この変数が非nil
の場合、カーソル表示に影響を与える他の変数は効果がなくなります。
変数w32-grab-focus-on-raise
が非nil
値にセットされている場合、フレームがraiseされるときフォーカスを奪います。デフォルトはt
で、これはWindowsのデフォルトのclick-to-focusポリシーに適合します。
Windows 10(バージョン1809以降)とWindows
11でのEmacsのタイトルバーとスクロールバーは、エクスプローラーやコマンドプロンプトのような他のプログラムと同じように、デフォルトではシステムのライトモードやダークモードにしたがいます。このカラーモードを変更するにはWindows Settings
のPersonalization
からColors->Choose your color
(あるいはChoose your default app mode
かChoose your mode
)を選択してEmacsを再起動してください。Windows
11ではWindowsとアプリケーション用にデフォルトのモードを個別に選択できます。
Emacsがシステムのダークモードのセッティングにしたがうのが望ましくない場合には、変数w32-follow-system-dark-mode
をnil
値にカスタマイズすれば、システムワイドなセッティングとは関係なくデフォルトのライトモードをEmacsに使わせることができます。この変数の値の変更は変更後に作成されたEmacsフレームにのみ効果があるので、initファイル(Emacs初期化ファイルを参照)で値を直接セットするか、あるいはカスタマイズした値を保存できるM-x
customize-variableを通じてセットするべきです。カスタマイズの保存を参照してください。