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4.8 翻訳バグの報告をユーザーに奨励する

コードにはバグが付き物ですが、翻訳も同様です。ユーザーがそれらのバグを報告できるようにする必要があります。メンテナーが同時に翻訳者であるような場合を除き、メンテナーが翻訳を変更することはないため、プログラマーやパッケージのメンテナーに翻訳のバグを報告するのは得策ではありません。したがって翻訳のバグは翻訳者に報告されなければなりません。

ここで紹介する方法で組織化することにより、メンテナーが翻訳のバグ報告をどこかへ転送したり、翻訳者や翻訳チームのアドレスのリストを維持する必要もなくなります。

すべてのプログラムには、バグを報告するためのアドレスを示す場所があります。GNUプログラムの場合、“–help”オプションにより表示される、“usage”(使用方法)とよばれる機能が該当する場所です。この場所に翻訳のバグ報告のためのアドレスを追加するよう、翻訳者に示すのです。たとえば以下のようなコードがあるとします

printf (_("Report bugs to <%s>.\n"), PACKAGE_BUGREPORT);

以下のように、翻訳者への指示を追加することができます:

/* TRANSLATORS: The placeholder indicates the bug-reporting address
   for this package.  Please add _another line_ saying
   "Report translation bugs to <...>\n" with the address for translation
   bugs (typically your translation team's web or email address).  */
printf (_("Report bugs to <%s>.\n"), PACKAGE_BUGREPORT);

これらは‘xgettext’により抽出され、以下のようなエントリーを含む.potファイルとなります:

#. TRANSLATORS: The placeholder indicates the bug-reporting address
#. for this package.  Please add _another line_ saying
#. "Report translation bugs to <...>\n" with the address for translation
#. bugs (typically your translation team's web or email address).
#: src/hello.c:178
#, c-format
msgid "Report bugs to <%s>.\n"
msgstr ""