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9.1 msgcatプログラムの呼び出し

msgcat [option] [inputfile]...

msgcatプログラムは、指定されたPOファイルを結合・マージするプログラムです。プログラムは、指定された複数のPOファイルの中から、2つ以上のファイルで使用されている共通のメッセージを見つけます。--more-thanオプションを使うと、指定したファイル数より多くのファイルで共通のメッセージを出力するか指定できます。反対に--less-thanオプションでは、指定したファイル数より少ないファイルで共通のメッセージを出力するか指定できます(例 ‘--less-than=2’ と指定すると一意なメッセージだけが出力されます)。翻訳やコメントは累積されますが、--use-firstを指定した場合は、指定されたPOファイルのうちで最初のものを採用します。すべてのPOファイルの位置情報も累積されます。

9.1.1 入力ファイルの位置

inputfile

入力ファイルです。

-f file
--files-from=file

入力ファイルの名前を、コマンドラインからではなく、fileから読み込みます。

-D directory
--directory=directory

ディレクトリーのリストにdirectoryを追加します。このディレクトリーのリストよりソースファイルを検索します。しかし.poファイルが出力されるのは、カレントディレクトリーです。

inputfileに‘-’が指定された場合は、標準入力から読み込みます。

9.1.2 出力ファイルの位置

-o file
--output-file=file

指定されたファイルに出力を書き込みます。

出力ファイルが指定されていない、または‘-’が指定された場合、結果は標準出力に出力されます。

9.1.3 メッセージ選択

-< number
--less-than=number

numberに指定した数より少ないメッセージを出力します。指定しなかった場合のデフォルトは無限大です。

-> number
--more-than=number

numberに指定した数より大きいメッセージを出力します。指定しなかった場合のデフォルトは0です。

-u
--unique

--less-than=2’の省略指定です。一意なメッセージだけを出力します。

9.1.4 入力ファイルの構文

-P
--properties-input

入力ファイルがPOファイルの構文ではなく、Javaの.propertiesの構文にのっとったJava ResourceBundleファイルだとみなします。

--stringtable-input

入力ファイルがPOファイルの構文ではなく、NeXTstep/GNUstepのlocalized resourceの.stringsの構文にのっとったファイルだとみなします。

9.1.5 出力の詳細

-t
--to-code=name

出力のエンコーディングを指定します。

--use-first

各メッセージで利用可能な最初のメッセージを使用します。複数の翻訳を1つにマージしません。

--lang=catalogname

ヘッダーのエントリーで使用される、‘Language’フィールドを指定します。このフィールドの意味については、Header Entryを参照してください。‘Language-Team’と‘Plural-Forms’のフィールドは変更されないことに注意してください。

--color
--color=when

色や色以外のテキスト属性を使うか、いつ使うかを指定します。詳細はThe --color optionを参照してください。

--style=style_file

--colorにたいしてCSS style ruleファイルを使うかを指定します。詳細はThe --style optionを参照してください。

--force-po

メッセージが何も含まれていない場合でも、常に出力ファイルに書き込みます。

-i
--indent

インデントされた形式で.poファイルを書き込みます。

--no-location

#: filename:line’という行を書き込みません。

-n
--add-location=type

#: filename:line’という行を生成します(デフォルト)。

typeはオプションで、‘full’、‘file’、または‘never’を指定できます。オプションが指定されない、または‘full’の場合は、ファイル名と行番号のの両方が生成されます。‘file’の場合、行番号は省略されます。‘never’の場合は、完全にこの行を抑制します(--no-locationと同じです)。

--strict

Uniforumに厳密に準拠したPOファイルを出力します。このUniforum形式はGNUの拡張をサポートしないため避けたほうがよいでしょう。

-p
--properties-output

Javaの.propertiesの書式で、Java ResourceBundleを出力します。このファイル形式はplural formをサポートせず、陳腐化したメッセージを暗黙で除去することに注意してください。

--stringtable-output

.stringsの書式で、NeXTstep/GNUstepのローカライズされたリソースファイルを出力します。このファイル形式はplural formをサポートしないことに注意してください。

-w number
--width=number

出力ページの幅をセットします。これにより出力ファイル中の長い文字列が指定した幅(例:スクリーンの列数)に収まるように、各行の長さがnumber以下のような複数の行に分割されます。

--no-wrap

長いメッセージ行を分割しません。出力ページの幅を超えるようなメッセージ行も、複数行に分割されません。出力ページの幅を超えるファイル参照行だけが分割されます。

-s
--sort-output

ソートされた出力を生成します。このオプションを使用することにより翻訳者が、メッセージがどのようなコンテキストで使用されるかを理解するのが、困難になることに注意してください。

-F
--sort-by-file

ファイルの場所により出力をソートします。

9.1.6 情報的な出力

-h
--help

このヘルプを表示して終了します。

-V
--version

バージョン情報を表示して終了します。


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