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整数の値の範囲はマシンに依存します。最小の範囲は-536,870,912から536,870,911(30ビット長の -2**29 から 2**29 - 1) ですが、多くのマシンはこれより広い範囲を提供します。このチャプターの例の多くは、最小の整数が30ビット長であると仮定します。
Lispリーダーは、数字のシーケンス(オプションで最初の符号記号と最後のピリオドをともなう)として整数を読み取ります。Emacsの範囲を超える整数は浮動小数点数として扱われます。
1 ; 整数1 1. ; 整数1 +1 ; これも整数1 -1 ; 整数-1 9000000000000000000 ; 浮動小数点数9e18 0 ; 整数0 -0 ; 整数0
基数が10以外の整数の構文では‘#’の後に基数を指定する文字 — 2進は‘b’、8進は‘o’、16進は‘x’、‘radixr’は基数radix — を記述します。基数を指定する文字のcaseは区別されません。したがって‘#binteger’はintegerを2進として読み取り、‘#radixrinteger’はintegerを基数radixとして読み取ります。radixに指定できる値は2から36です。たとえば:
#b101100 ⇒ 44 #o54 ⇒ 44 #x2c ⇒ 44 #24r1k ⇒ 44
整数にたいして処理を行なうさまざまな関数、特にビット演算(Bitwise Operationsを参照)を理解するためには、数を2進形式で見ることが助けになることがよくあります。
30ビットの2進では10進数の整数5は以下のようになります:
0000...000101 (全部で30ビット)
(‘...’は30ビットのワードを満たすのに充分なビットを意味しており、この場合の‘...’は12個の0ビットを意味する。以下の例でも2進の整数を読みやすくするために、‘...’の表記を使用している。)
整数の-1は以下のようになります:
1111...111111 (全部で30ビット)
-1は30個の1で表現されます(2の補数表記と呼ばれる)。
-1から4を減じることで負の整数-5が得られます。10進の整数4は2進では100です。したがって-5は以下のようになります:
1111...111011 (全部で30ビット)
この実装では、0ビットの2進の最大は10進の536,870,911です。これは2進では以下のようになります:
0111...111111 (全部で30ビット)
算術関数は整数が範囲外かどうかをチェックしないので、536,870,911に1を加えるとその値は負の整数-536,870,912になります:
(+ 1 536870911) ⇒ -536870912 ⇒ 1000...000000 (全部で30ビット)
このチャプターで説明する多くの関数は、数字の位置として引数にマーカー(Markersを参照)を受け取ります。そのような関数にたいする実際の引数は数字かマーカーなので、わたしたちはこれらの引数にnumber-or-markerという名前を与えることがあります。引数の値がマーカーならマーカーの位置が使用され、マーカーのバッファーは無視されます。
この変数の値はEmacs Lispが扱える整数の最大値。典型的な値は32ビットでは 2**29 - 1 、64ビットでは 2**61 - 1 。
この変数の値はEmacs Lispが扱える最小の整数。これは負の整数になる。典型的な値は32ビットでは -2**29 、64ビットでは -2**61、 。
Emacs
Lispでは、テキスト文字は整数により表現されます。0から(max-char)
までの整数は、有効な文字として判断されます。Character Codesを参照してください。