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define-hash-table-test
でキーを照合する新しい方法を定義できます。この機能を使用するにはハッシュテーブルの動作方法と、ハッシュコード(hash
code)の意味を理解する必要があります。
概念的にはハッシュテーブルを1つの連想を保持できるスロットがたくさんある巨大な配列として考えることができます。キーを照合するにはまず、gethash
がキーから整数のハッシュコードを計算します。配列内のインデックスを生成するために、gethash
は配列の長さからこの整数のmoduloを得ます。それからキーが見つかったかどうか確認するためにそのスロット、もし必要なら近くのスロットを探します。
したがってキー照合の新しい方法を定義するためには、キーからハッシュコードを計算する関数と、2つのキーを直接比較する関数の両方が必要です。
この関数はnameという名前の新たなハッシュテーブルテストを定義します。
この方法でnameを定義した後は、make-hash-table
の引数testにこれを使用することができる。これを行なう際は、そのハッシュテーブルのキー値の比較にtest-fn、キー値からハッシュコードを計算するためにhash-fnを使用することになる。
関数test-fnは2つの引数(2つのキー)をとり、それらが同一と判断されたときは非nil
をリターンする。
関数hash-fnは1つの引数(キー)を受け取り、そのキーのハッシュコード(整数)をリターンすること。よい結果を得るために、その関数は負の整数を含む整数の全範囲をハッシュコードに使用するべきある。
指定された関数は、プロパティーhash-table-test
の配下の、nameというプロパティーリストに格納される。そのプロパティーの値形式は(test-fn
hash-fn)
。
この関数はLispオブジェクトobjのハッシュコードをリターンする。リターン値はobjと、それが指す別のLispオブジェクトの内容を表す整数。
2つのオブジェクトobj1とobj2が等しければ(sxhash-equal
obj1)
と(sxhash-equal obj2)
は同じ整数になる。
2つのオブジェクトがequal
でなければ通常はsxhash-equal
がreturnする値は異なるが、常に異なるとは限らない。稀(運次第)にsxhash-equal
が同じ結果を与える、2つの異なって見えるオブジェクトに遭遇するかもしれない。
Common Lispに関する注意: Common
Lispではこれに似た関数はsxhash
と呼ばれる。Emacsは互換性のためにsxhash-equal
にたいするエイリアスとしてこの名前を提供している。
この関数はLispオブジェクトobjにたいするハッシュコードをリターンする。結果はobjの識別値でありコンテンツではない。
2つのオブジェクトobj1とobj2がeq
なら(sxhash-eq
obj1)
と(sxhash-eq obj2)
は同じ整数。
この関数はeql
による比較に適したLispオブジェクトobjにたいするハッシュコードをリターンする。つまり浮動小数点数以外のobjならそれにたいする識別値(浮動小数点数ならその値にたいするハッシュコード)を生成する。
2つのオブジェクトobj1とobj2がeql
なら(sxhash-eql
obj1)
と(sxhash-eql obj2)
は同じ整数。
以下はlcaseを区別しない文字列のキーをもつハッシュテーブルを作成する例です。
(defun case-fold-string= (a b) (eq t (compare-strings a nil nil b nil nil t))) (defun case-fold-string-hash (a) (sxhash-equal (upcase a))) (define-hash-table-test 'case-fold 'case-fold-string= 'case-fold-string-hash) (make-hash-table :test 'case-fold)
以下は事前に定義されたテスト値equal
と等価なテストを行なうハッシュテーブルを定義できるという例です。キーは任意のLispオブジェクトで、equalに見えるオブジェクトは同じキーと判断されます。
(define-hash-table-test 'contents-hash 'equal 'sxhash-equal) (make-hash-table :test 'contents-hash)