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40.13.6 オーバーレイ矢印

オーバーレイ矢印(overlay arrow)は、バッファー内の特定の行にたいしてユーザーに注意を促すために有用です。たとえばデバッガーでのインターフェースに使用されるモードでは、オーバーレイ矢印は実行されているコード行を示します。この機能はオーバーレイ(overlays)にたいして何も行いません(オーバーレイを参照)。

Variable: overlay-arrow-string

この変数は特定の行にたいして注意を喚起するために表示する文字列、または矢印機能が使用されていなければnilを保持する。グラフィカルなディスプレイでは、フリンジが表示されていればこの文字列のコンテンツは無視されて、かわりにフリンジ領域からディスプレイ領域左側にグリフが表示される。

Variable: overlay-arrow-position

この変数はオーバーレイ矢印を表示する箇所を示すマーカーを保持する。これは行の先頭となるポイントであること。非グラフィカルなディスプレイ、あるいは左フリンジが非表示の場合には、その行の先頭に矢印テキストが表示され、矢印テキストが表示されないときに表示されるべきテキストがオーバーレイされる。その矢印は通常は短く行は普通はインデントで開始されるので、上書きが問題となることは通常はない。

オーバーレイ矢印の文字列は、そのバッファーのoverlay-arrow-positionの値がバッファー内を指せば与えられた任意のバッファーで表示される。したがってoverlay-arrow-positionのバッファーローカルなバインディングを作成することにより、複数のオーバーレイ矢印の表示が可能である。しかしこれを達成するためには、overlay-arrow-variable-listを使用するほうが通常はより明快。

before-stringプロパティをもつオーバーレイを作成することにより同様のことを行うことができます。オーバーレイのプロパティを参照してください。

変数overlay-arrow-variable-listを通じて複数のオーバーレイ矢印を定義できます。

Variable: overlay-arrow-variable-list

この変数の値は、それぞれがオーバーレイ矢印の位置を指定する変数のリスト。変数overlay-arrow-positionはこのリスト上にあるために通常の意味をもつ。

このリスト上の各変数は対応するオーバーレイ矢印位置に表示するためのオーバーレイ矢印文字列を指定するoverlay-arrow-stringプロパティ(テキスト端末、あるいは左フリンジが非表示のグラフィカルな端末)、およびフリンジビットマップを指定するoverlay-arrow-bitmapプロパティ(左フリンジがあるグラフィカル端末))をもつことができます。これらのプロパティがセットされていなければデフォルトのフリンジインジケーターoverlay-arrow-stringoverlay-arrowが使用されます。