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40.3 切り詰め

Emacsはテキスト行がウィンドウ右端を超過する際には、その行を継続(continue)させる(次のスクリーン行へwrap、すなわち折り返す)か、あるいはその行を切り詰め(truncate)て表示(その行をスクリーン行の1行に制限)することができます。長いテキスト行を表示するために使用される追加のスクリーン行は継続(continuation)行と呼ばれます。継続はフィルとは異なります。継続はバッファーのコンテンツ内ではなくスクリーン上でのみ発生して、単語境界ではなく正確に右マージンで行をブレークします。fillを参照してください。

グラフィカルなディスプレイでは切り詰めと継続はウィンドウフリンジ内の小さな矢印イメージで示されます(フリンジを参照)。テキスト端末では切り詰めはそのウィンドウの最右列の‘$’、折り返しは最右列の‘\’で示されます(ディスプレイテーブルでこれを行うための代替え文字を指定できる。ディスプレーテーブルを参照)。

テキストの折り返しと切り詰めは互いに反する操作なので、Emacsは折り返しを要求されたら行の切り詰めをオフに、あるいはその逆も行います。

User Option: truncate-lines

このバッファーローカル変数が非nilならウィンドウ右端を超過する行は切り詰められて、それ以外なら継続される。特別な例外として部分幅(partial-width)ウィンドウ(フレーム全体の幅を占有しないウィンドウ)では変数truncate-partial-width-windowsが優先される。

User Option: truncate-partial-width-windows

この変数は部分幅(partial-width)ウィンドウ内の行の切り詰めを制御する。部分幅ウィンドウとはフレーム全体の幅を占有しないウィンドウ(ウィンドウの分割を参照)。値がnilなら行の切り詰めは変数truncate-lines (上記参照)により決定される。値が整数nの場合には、部分幅ウィンドウの列数がnより小さければtruncate-linesの値とは無関係に行は切り詰められて、部分幅ウィンドウの列数がn以上なら行の切り詰めはtruncate-linesにより決定される。それ以外の非nil値ではtruncate-linesの値とは無関係にすべての部分幅ウィンドウで行は切り詰められる。

ウィンドウ内で水平スクロール(水平スクロールを参照)を使用中は切り詰めが強制されます。

Variable: wrap-prefix

このバッファーローカル変数が非nilなら、それはEmacsが各継続行の先頭に表示する折り返しプレフィックス(wrap prefix)を定義する(行を切り詰めている場合にはwrap-prefixは使用されない)。この値は文字列、またはイメージ(その他のディスプレー仕様を参照)やディスプレイプロパティ:width:align-toで指定されるような伸長された空白文字を指定できる(スペースの指定を参照)。値はテキストプロパティdisplayと同じ方法で解釈される。displayプロパティを参照のこと。

折り返しプレフィックスはテキストプロパティかオーバーレイプロパティwrap-prefixを使用することにより、テキストのリージョンにたいして指定することもできる。これはwrap-prefix変数より優先される。特殊な意味をもつプロパティを参照のこと。

Variable: line-prefix

このバッファーローカル変数が非nilなら、それはEmacsがすべての非継続行の先頭に表示する行プレフィックス(line prefix)を定義する。この値は文字列、イメージ(その他のディスプレー仕様を参照)、またはディスプレイプロパティ:width:align-toで指定されるような伸長された空白文字を指定できる(スペースの指定を参照)。値はテキストプロパティdisplayと同じ方法で解釈される。displayプロパティを参照のこと。

行プレフィックスはテキストプロパティまたはオーバーレイプロパティline-prefixを使用することにより、テキストのリージョンにたいして指定することもできる。これはline-prefix変数より優先される。特殊な意味をもつプロパティを参照のこと。