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37 プログラムソースの解析

Emacsではプログラムソースのテキストのパース(parse: 解析)や構文ツリーまたは構文木(syntax tree)を生成するためにさまざまな方法が提供されています。構文ツリーにおけるテキストはもはや1次元の文字ストリームではなく、ノードというそれぞれがテキストの一部を表現するようなものを構造化したツリーとみなされます。つまり構文ツリーによって正確なフォント表示(fontification)、インデント、ナビゲーション、構造化された編集等といった興味深い機能を有効にできるのです。

Emacsには釣り合いのとれた式をパースするシンプルな機能があります(式のパースを参照)。一般的なナビゲーションとインデントにたいするSMIEというライブラリーもあります(SMIE: 無邪気なインデントエンジンを参照)。

これらに加えてtree-sitterライブラリーにたいするサポートがコンパイルされていれば、Emacsはtree-sitterとの統合も提供します。tree-sitterライブラリーはインクリメンタルパーサー(incremental parser: 増分解析ライブラリー)であり、幅広いプログラミング言語をサポートしています。

Function: treesit-available-p

この関数はカレントのEmacsセッションにおいてtree-sitter機能が利用可能なら非nilをリターンする。

tree-sitterライブラリーを用いたプログラムソースのパースとプログラムの構文ツリーへのアクセスを可能にするためには、Lispプログラムがその言語のグラマーライブラリーをロードするとともにその言語とカレントバッファーにたいするパーサーを作成する必要があります。Lispプログラムがこれを行った後に、構文ツリーの特定のノードに関してパーサーへの問い合わせを行うことができるのです。その後はそれぞれのノードに関するさまざまな種類の情報にアクセスして、強力なパターンマッチングを用いたノードの検索が可能になります。このチャプターではこれらすべてをどのように行うのか、そして複数のプログラミング言語がミックスされているソースファイルにたいしてLispプログラムが処理する方法についても説明します。