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10.4 バッククォート

バッククォート構文(backquote constructs)を使用することにより、リストをクォートしてそのリストのある要素を選択的に評価することができます。もっとも単純な場合、スペシャルフォーム quote (前セクションで説明済み。クォートを参照)と同じになります。 たとえば以下の2つのフォームは同じ結果を生みます:

`(a list of (+ 2 3) elements)
     ⇒ (a list of (+ 2 3) elements)
'(a list of (+ 2 3) elements)
     ⇒ (a list of (+ 2 3) elements)

バッククォートする引数の内側でスペシャルマーカー‘,’を使用すると、それは値が定数でないことを示します。Emacs Lispエバリュエーターは‘,’がついた引数を放置して、リスト構文内にその値を配置します:

`(a list of ,(+ 2 3) elements)
     ⇒ (a list of 5 elements)

,’による置き換えを、リスト構文のより深いレベルでも使用できます。たとえば:

`(1 2 (3 ,(+ 4 5)))
     ⇒ (1 2 (3 9))

スペシャルマーカー‘,@’を使用すれば、評価された値を結果リストに継ぎ足す(splice)こともできます。継ぎ足されたリストの要素は、結果リスト内の他の要素と同じレベルになります。‘`’を使用しない等価なコードは読むのが困難なことがよくあります。以下にいくつかの例を示します:

(setq some-list '(2 3))
     ⇒ (2 3)
(cons 1 (append some-list '(4) some-list))
     ⇒ (1 2 3 4 2 3)
`(1 ,@some-list 4 ,@some-list)
     ⇒ (1 2 3 4 2 3)

(setq list '(hack foo bar))
     ⇒ (hack foo bar)
(cons 'use
  (cons 'the
    (cons 'words (append (cdr list) '(as elements)))))
     ⇒ (use the words foo bar as elements)
`(use the words ,@(cdr list) as elements)
     ⇒ (use the words foo bar as elements)

バッククォート構文の部分式に置換や継ぎ足し(splice)がなければ、これは共有される可能性があり変更するべきではないコンス、ベクター、文字列でのquoteのように振る舞います。自己評価を行うフォームを参照してください。

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