11.3 組み合わせ条件の構築

このセクションでは複雑な条件を表現するためにifcondとともによく使用される構文を説明します。andorの構文は、ある種の複数条件の構文として個別に使用することもできます。

Function: not condition

この関数はconditionが偽であることをテストする。この関数はconditionnilならt、それ以外はnilをリターンする。関数notnullと等価であり、空のリストやnil値をテストする場合はnullの使用を推奨する。

Special Form: and conditions…

スペシャルフォームandは、すべてのconditionsが真かどうかをテストする。この関数はconditionsを記述順に1つずつ評価することにより機能する。

あるconditionsnilに評価されると、残りのconditionsに関係なく、andnilをリターンしなければならない。この場合andは即座にnilをリターンして、残りのconditionsは無視される。

すべてのconditionsが非nilなら、それらの最後の値がandフォームの値になる。conditionsがない単独の(and)tをリターンする。なぜならすべてのconditionsが非nilとなるので、これは適切である(考えてみてみよ、非nilでないconditionsはどれか?)。

以下に例を示す。1番目の条件は整数1をリターンし、これはnilではない。同様に2番目の条件は整数2をリターンし、これもnilではない。3番目の条件はnilなので、のこりの条件が評価されることは決してない。

(and (print 1) (print 2) nil (print 3))
     -| 1
     -| 2
⇒ nil

以下はandを使用した、より現実的な例である:

(if (and (consp foo) (eq (car foo) 'x))
    (message "foo is a list starting with x"))

(consp foo)nilをリターンすると、(car foo)は実行されないのでエラーにならないことに注意。

ifcondのいずれかを使用して、and式を記述することもできる。以下にその方法を示す:

(and arg1 arg2 arg3)
≡
(if arg1 (if arg2 arg3))
≡
(cond (arg1 (cond (arg2 arg3))))
Special Form: or conditions…

スペシャルフォームorは、少なくとも1つのconditionsが真かどうかをテストする。この関数はすべてのconditionsを1つずつ、記述された順に評価することにより機能する。

あるconditionsが非nil値に評価されたら、orの結果は非nilでなければならない。この場合orは即座にリターンし、残りのconditionsは無視される。この関数がリターンする値は、非nil値に評価された条件の値そのものである。

すべてのconditionsnilなら、or式はnilをリターンします。conditionsのない単独の(or)nilをリターンする。なぜならすべてのconditionsnilになるのでこれは適切である(考えてみよ、nilでないconditionsはどれか?)。

たとえば以下の式は、xnilか整数0かどうかをテストする:

(or (eq x nil) (eq x 0))

and構文と同様に、orcondに置き換えて記述することができる。たとえば:

(or arg1 arg2 arg3)
≡
(cond (arg1)
      (arg2)
      (arg3))

ほとんどの場合は、orifに置き換えて記述できるが完全ではない:

(if arg1 arg1
  (if arg2 arg2
    arg3))

これは完全に同一ではない。なぜならarg1arg2を2回評価するかもしれないからである。対照的に(or arg1 arg2 arg3)が2回以上引数を評価することは決してない。

Function: xor condition1 condition2

この関数はcondition1condition2の排他的論理和をリターンする。つまりxorは引数がいずれもnilあるいは非nilならnilをリターンする。それ以外なら非nilの引数の値をリターンする。

orとは対照的に引数はどちらも常に評価されることに注意。


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