メジャーモードにたいして検索ベースフォント表示ルールを追加するためにfont-lock-add-keywords、削除にはfont-lock-remove-keywordsを使用することができます。特定の条件にマッチするキーワードにたいして選択的にフォント表示を無効にするよう、font-lock-ignoreオプションをカスタマイズすることもできます。
この関数はカレントバッファー、またはメジャーモードmodeにたいしてハイライトするkeywordsを追加する。引数keywordsは変数font-lock-keywordsと同じ形式のリストであること。
modeが、c-modeのようにメジャーモードのコマンド名であるようなシンボルなら、そのmode内でFont
Lockモードを有効にすることによってkeywordsがfont-lock-keywordsに追加される効果がある。非nil値のmodeによる呼び出しは~/.emacsファイル内でのみ正しい。
modeがnilなら、この関数はカレントバッファーのfont-lock-keywordsにkeywordsを追加する。この方法でのfont-lock-add-keywords呼び出しは通常はモードフック関数内で使用される。
デフォルトではkeywordsはfont-lock-keywordsの先頭に追加される。オプション引数howがsetなら、それらはfont-lock-keywordsの値の置換に使用される。howがそれ以外の非nil値なら、これらはfont-lock-keywordsの最後に追加される。
追加のハイライトパターンの使用を可能にする、特別なサポートを提供するモードがいくつかある。それらの例については変数c-font-lock-extra-types、c++-font-lock-extra-types、java-font-lock-extra-typesを参照のこと。
警告:
メジャーモードコマンドはモードフックを除き、いかなる状況においても直接間接を問わずfont-lock-add-keywordsを呼び出してはならない(これを行うといくつかのマイナーモードは不正な振る舞いを起こしかねない)。メジャーモードコマンドはfont-lock-keywordsをセットすることにより、検索ベースフォント表示のルールをセットアップすること。
この関数はカレントバッファーやメジャーモードmodeにたいして、font-lock-keywordsからkeywordsを削除する。font-lock-add-keywordsの場合と同様にmodeはメジャーモードコマンド名かnilであること。この関数にもfont-lock-add-keywordsにたいするすべての制約と条件が適用される。引数keywordsは対応するfont-lock-add-keywordsが使用するキーワードと正確に一致しなければならない。
たとえば以下はCモードに2つのフォント表示パターンを追加するコードの例である。フォント表示の1つはたとえコメント内であろうとも単語‘FIXME’をフォント表示し、もう1つは‘and’、‘or’、‘not’をキーワードとしてフォント表示する。
(font-lock-add-keywords 'c-mode
'(("\\<\\(FIXME\\):" 1 font-lock-warning-face prepend)
("\\<\\(and\\|or\\|not\\)\\>" . font-lock-keyword-face)))
この例は厳密にCモードだけに効果がある。Cモード、およびその派生モードにたいして同じパターンを追加するには、かわりに以下を行う:
(add-hook 'c-mode-hook
(lambda ()
(font-lock-add-keywords nil
'(("\\<\\(FIXME\\):" 1 font-lock-warning-face prepend)
("\\<\\(and\\|or\\|not\\)\\>" .
font-lock-keyword-face)))))
このオプションは特定のFont
Lockキーワードによってフォント表示を選択的に無効にするための条件を定義する。非nilなら、値は以下のような形式の要素からなるリストであること:
(symbol condition ...)
ここでsymbolはシンボル(通常はメジャーモードかマイナーモード)。symbolの後のリスト要素conditionはsymbolがバインドされていて、なおかつ値が非nilなら効力をもつ。あるモードのシンボルについて考えると、カレントのメジャーモードがそのモードの派生モードであること、あるいはバッファーでそのマイナーモードが有効であることを意味する。conditionが効力をもつ間は要素font-lock-keywordsに因をなすすべてのフォント表示は、conditionがマッチした場合には無効化される。
conditionにはそれぞれ以下のいずれかを指定できる:
This condition matches any element of Font Lock keywords that references the
symbol. This is usually a face, but can be any symbol referenced by an
element of the font-lock-keywords list. The symbol can contain
wildcards: * matches any string in the symbol’s name, ?
matches a single character, and [char-set], where
char-set is a string of one or more characters, matches a single
character from the set.
この条件はmatcherが文字列にマッチするregexpであるようなFont Lockキーワード要素すべてにマッチする。言い換えると、これはその文字列をハイライトさせるようなFont Lockルールにマッチする条件である。したがってこの文字列に、ハイライトを無効にしたい特定のプログラムキーワードを指定できるかもしれない。
(pred function)この条件は、その要素を引数としてfunctionを呼び出した際に非nilがリターンされるようなFont
Lockキーワード要素すべてにマッチする。
(not condition)これはconditionが成り立たなければマッチする。
(and condition …)これはすべてのconditionがマッチすればマッチする。
(or condition …)これは少なくとも1つのconditionがマッチすればマッチする。
(except condition)この条件はトップレベルかor節内だけで使用できる。同一レベルにおいて前にマッチした条件の効果を取り消す。
セッティングの例として以下を考えてみましょう:
(setq font-lock-ignore
'((prog-mode font-lock-*-face
(except help-echo))
(emacs-lisp-mode (except ";;;###autoload)")
(whitespace-mode whitespace-empty-at-bob-regexp)
(makefile-mode (except *))))
これは1行ごとに以下のことを行っています:
help-echoに追加を行うキーワードはすべて保持。
whitespace-mode (マイナーモード)が有効なら、バッファー先頭の空行もハイライトさせない。