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42.17.11 イメージキャッシュ

Emacsはイメージをより効果的に再表示できるようにイメージをキャッシュします。Emacsがイメージを表示する際には、既存のイメージ仕様が望む仕様とequalなイメージキャッシュを検索します。マッチが見つかったらイメージはキャッシュから表示され、それ以外ではイメージは通常のようにロードされます。

Function: image-flush spec &optional frame

この関数はフレームframeのイメージキャッシュから仕様specのイメージを削除する。イメージ仕様の比較にはequalを使用する。framenilの場合のデフォルトは選択されたフレーム。frametならイメージはすべての既存フレームでフラッシュされる。

Emacsの現実装では各グラフィカル端末はイメージキャッシュを処理して、それはその端末上のすべてのフレームにより共有される(複数の端末を参照)。つまりあるフレームでイメージをリフレッシュすると、同一端末上の他のすべてのフレームでもリフレッシュされる。

image-flushの1つの用途はEmacsにイメージファイルの変更を伝えることです。イメージ仕様が:fileプロパティを含む場合には、そのイメージの初回表示時にファイルコンテンツにもとづいてイメージがキャッシュされます。たとえその後にファイルが変更されても、Emacsはそのイメージの古いバージョンを表示し続けます。image-flushを呼び出すことによりそのイメージはキャッシュからフラッシュされて、イメージの表示が次回必要になった際にEmacsにファイルの再読み込みを強制します。

image-flushの他の用途はメモリー節約です。Lispプログラムでimage-cache-eviction-delay (以下参照)より遥かに短い期間に多数の一時イメージを作成する場合には、Emacsが自動的に行うことを待たずに自身で使用されていないイメージのフラッシュを選択できます。

Function: clear-image-cache &optional filter

この関数はイメージキャッシュ内に格納されたすべてのイメージを削除してイメージキャッシュをクリアーする。filterが省略かnilなら選択されたフレームにたいしてキャッシュをクリアーする。filterがフレームなら、そのフレームにたいしてキャッシュをクリアーする。filtertなら、すべてのイメージキャッシュをクリアーする。それ以外ならfilterはファイル名として解釈されて、すべてのイメージキャッシュからそのファイル名に関連付けられたすべてのイメージを削除する。

イメージキャッシュ内のイメージが指定された期間内に表示されなければ、Emacsはそれをキャッシュから削除して割り当てられたメモリーを解放します。

Variable: image-cache-eviction-delay

この変数は表示されることなくイメージがキャッシュ内に残留できる秒数を指定する。あるイメージがこの秒数の間に表示されなければ、Emacsはそれをイメージキャッシュから削除する。

ある状況下では、もしキャッシュ内のイメージ数が大きくなり過ぎた場合には実際の立ち退き遅延(eviction delay)はこれより短くなり得る。

値がnilなら明示的にキャッシュをクリアーした場合を除き、Emacsはキャッシュからイメージを削除しない。このモードはデバッグ時に有用かもしれない。

Function: image-cache-size

この関数はカレントイメージキャッシュの総バイト数をリターンする。たとえば24ビットカラーでサイズ200x100のイメージのキャッシュサイズは60000バイト。

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