以下のオプションによりマウスポインターの下のウィンドウを自動的に選択することができます。これはウィンドウシステムのウィンドウにマウスポインターがエンターした際は常にフレームにフォーカスを与える(それゆえ以降の選択をトリガーする)ウィンドウマネージャーと同様なポリシーを実現します(入力のフォーカスおよびフォーカスイベントを参照)。
この変数が非nil
なら、Emacsはマウスポインターの下のウィンドウの自動的な選択を試みる。有意な値は以下のとおり:
これは自動選択トリガー後の遅延秒数を指定する。マウスポインター下のウィンドウはこの遅延秒数の間マウスが留まった後に選択される。
負の数値は正の数値と同様の効果をもつが、数値の絶対数の遅延秒数の間マウスポインターがウィンドウ内に留まり加えて移動を停止した後にウィンドウを選択する点が異なる。
その他の非nil
値はマウスポインターがウィンドウ上にエンターすると即座にウィンドウを選択することを意味する。
いずれのケースでもウィンドウの選択をトリガーするために、マウスポインターはウィンドウのテキスト領域にエンターしなければならない。スクロールバーのスライダーのドラッグやウィンドウのモードラインではコンセプト的には自動選択を発生させるべきではない。
マウスによる自動選択はミニバッファーウィンドウがアクティブなときのみ選択を行い、アクティブなミニバッファーウィンドウの選択解除は決して行わない。
マウスによる自動選択はウィンドウマネージャーが追跡しない子フレーム(子フレームを参照)にたいしてマウスフォーカス追従ポリシーをエミュレートするために使用できます。これを行うためにはfocus-follows-mouse
(入力のフォーカスを参照)に非nil
値をセットすることが必要です。focus-follows-mouse
の値がauto-raise
なら、マウスで子フレームにエンターすることにより親フレームの他のすべての子フレームの前面にその子フレームが自動的にレイズされます。