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30.19 その他のDiredの機能

コマンド+ (dired-create-directory)はディレクトリー名を読み取り、そのディレクトリーを作成します。そのディレクトリーがすでに存在する場合は、エラーをシグナルします。

このコマンド(dired-create-empty-file)はファイル名を読み取りファイルを作成します。そのファイルがすでに存在すればエラーをシグナルします。

コマンドM-s a C-s (dired-do-isearch)は、マークされたファイルにたいして、複数ファイルにたいするインクリメンタル検索を開始します。ファイル終端で検索が失敗した場合、C-sとタイプすると、マークされた次のファイルで検索を繰り返します。マークされた最後のファイルの終端に達すると、マークされた最初のファイルに戻って検索します。コマンドM-s a M-C-s (dired-do-isearch-regexp)は、同じことを正規表現検索で行ないます。検索の繰り返しに関する情報は、インクリメンタル検索の繰り返しを参照してください。

コマンドw (dired-copy-filename-as-kill)は、マークされたファイル(または次のnファイル)の名前を、あたかもC-wでkillしたかのように、killリングに配します。ファイル名はスペースで区切られます。

プレフィクス引数に0を指定した場合、マークされた各ファイルの絶対ファイル名を使用します。プレフィクス引数にC-uだけを指定した場合、Diredバッファーのデフォルトディレクトリーからの相対ファイル名を使用します(サブディレクトリーから行なった場合はスラッシュが含まれます)。特別なケースとして、ポイントがディレクトリーのヘッダー行にある場合、wで、そのディレクトリーの絶対パスを得ることができます。この場合、プレフィクス引数とマークされたファイルは無視されます。

このコマンドの主な目的は、他のEmacsコマンドの引数として、ファイル名をyankすることです。これはkillリングに何が追加されたかも表示するので、現在マークされているファイルを、エコーエリアに表示するためにも使用できます。

ファイルリストの中にHTMLファイルがある場合は、そのファイルをブラウザで閲覧できると便利かもしれません。W (browse-url-of-dired-file)コマンドは、そのファイルの閲覧に標準に設定されたブラウザを使用します。

コマンド( (dired-hide-details-mode)は、カレントのDiredバッファーでの、ファイル所有者やファイルパーミッションなどの、詳細表示を切り替えます。デフォルトでは、シンボリックリンクのリンク先や、ヘッダー行とファイルやディレクトリーの一覧以外のすべての行も隠します。これを変更するには、オプションdired-hide-details-hide-symlink-targetsdired-hide-details-hide-information-linesをカスタマイズしてください。

visitしているディレクトリーが、バージョンコントロール(バージョンコントロール)の配下にある場合、選択されたファイルにたいして、通常のVC diffおよびVC logコマンドが処理を行ないます。

コマンドM-x dired-compare-directoriesは、カレントのDiredバッファーと、他のディレクトリーを比較するために使用されます。2つのディレクトリーで異なる、すべてのファイルがマークされます。カレントのDiredバッファーも含めて、それらのファイルをリストする、すべてのDiredバッファーでマークが付されます。

(入力を求められたときRETをタイプすると使用される)デフォルトの比較方法では、ファイル名だけを比較します — つまり別のディレクトリーに存在しないファイルは、異なります。Lisp式を入力して、より厳密な比較を指定することができます。この場合、変数size1size2はファイルサイズ、mtime1mtime2は最終修正時刻を秒で表した浮動小数点数、fa1fa2はファイルの属性リスト(関数file-attributesで返される形式)です。この比較は、同じ名前のファイルごとに評価され、式の値が非nilの場合、それらのファイルは異なります。

たとえばシーケンスM-x dired-compare-directories RET (> mtime1 mtime2) RETは、別のディレクトリーよりこのディレクトリーのファイルが新しい場合はマークし、このディレクトリーより別のディレクトリーのファイルが古い場合にマークします。相手がいないファイルも、両方のディレクトリーでマークが付されます。

XウィンドウシステムのEmacsは、ドラッグアンドドロッププロトコルをサポートしています。ファイルオブジェクトを別のプログラムからドラッグしたり、Diredバッファーにドロップしてそのディレクトリーにファイルを移動、コピー、ファイルへのリンクの作成のいずれかが行われるでしょう。どのアクションが採用されるかは、正確には元となるプログラムによって決定されます。Diredバッファーから外部へのファイルのドラッグは、現在のところサポートされていません。