WindowsでHOME
に相当するのは、ユーザー固有のアプリケーションデータディレクトリーで、それの実際の位置はWindowsのバージョンに依存します。典型的な値は、Windows
2000からXPではC:\Documents and Settings\username\Application
Data、Windows
Vista以降ではC:\\Users\\username\\AppData\\Roaming、そしてWindows
9X/MEではC:\WINDOWS\Application
DataかC:\WINDOWS\Profiles\username\Application
Dataのいずれかです。このディレクトリーが存在しない、またはアクセスできない場合、EmacsはHOME
のデフォルト値をC:\にフォールバックします。
環境変数HOME
をシステムの他のディレクトリーを指すように明示的にセットすることにより、HOME
のデフォルト値をオーバーライドできます。HOME
はコマンドシェルプロンプト、または‘My
Computer’の‘Properties’ダイアログからセットできます。HOME
はシステムレジストリーからもセットできます。MS-Windowsのシステムレジストリーを参照してください。
古いバージョンのEmacs30との互換性のため、ドライブC:のルートディレクトリーC:\に.emacsという名前のファイルが存在する場合、そしてHOME
が環境とレジストリーのどちらでもセットされていない場合、EmacsはC:\をデフォルトのHOME
の場所として扱い、たとえアプリケーションデータディレクトリーが存在する場合でも、そこを探しません。古い名前の_emacs(以下参照)ではなく、C:\の.emacsだけが探されることに注意してください。C:\.emacsを使用してHOME
を定義する方法は、推奨されていません。Emacsはスタートアップ時にそれが使用されていることに関して、警告を表示するでしょう。
最終的な場所がどこであれ、Emacsはその場所を指すように環境変数HOME
の内部値をセットし、通常ホームディレクトリーで探したり作成するファイルとディレクトリーのために、その場所を使用します。
Emacsがホームディレクトリーをどこだと認識しているかは、C-x d ~/ RETとタイプして常に確認できます。これはホームディレクトリーのファイルのリストを表示し、最初の行にホームディレクトリーの完全な名前を表示します。同様にinitファイルをvisitするには、(initファイルの名前が.emacsの場合)C-x C-f ~/.emacs RETとタイプしてください。
Emacs初期化ファイルで述べられるとおり、initファイルは任意の名前をもつことができます。
MS-DOSはドットで始まるファイル名を使用できず、古いWindowsシステムではそのような名前のファイルを作成するのが困難だったので、EmacsのWindowsポートは、ホームディレクトリーに_emacsが存在して、.emacsが存在しない場合、_emacsという名前のinitファイルをサポートします。この名前は時代遅れと考えられおり、使用した場合、Emacsは警告を表示するでしょう。