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端末出力とHTML出力で、同じPOファイル用スタイルを使用できます。POファイル用のスタイルはCSS(Cascading Style Sheet)の書式で記述します。CSSの正式な定義については、http://www.w3.org/TR/css2/cover.htmlを参照してください。CSSについての説明を含んだ、HTML記述のチュートリアルも数多く存在します。
HTML出力の場合、スタイルファイルはHTML出力中に埋め込まれます。テキスト出力の場合、スタイルファイルはmsgcat
プログラムにより逐次解釈されます。これは@import
に関連するファイル名が指定されていて、そのファイル名が以下のような場合、特に意味をもちます:
@import
を含む、関係のあるスタイルシート(実際にこのようなケースでは、libcrocoの制限により@importはまだサポートされていません)。
CSSルールはselectorとdeclarationにより構築されます。declarationにはグラフィカルなプロパティーを指定し、selectorにはそれをいつ適用するかを指定します。
POファイル用に、以下の簡単なselectorがサポートされています("CSS classes"を基本とします。詳細はCSS2 specのsection 5.8.3を参照してください)。
.header
POファイルのヘッダーエントリーにマッチします。
.translated
翻訳されたメッセージにマッチします。
.untranslated
未翻訳のメッセージにマッチします(例: 翻訳が空のメッセージ)。
.fuzzy
fuzzyメッセージにマッチします(例: 翻訳者のレビューが必要な翻訳をともなうメッセージ)。
.obsolete
陳腐化したメッセージにマッチします(例: 現在のPOTファイルでは必要とされない翻訳済みのメッセージ)。
white-space # translator-comments #. extracted-comments #: reference… #, flag… #| msgid previous-untranslated-string msgid untranslated-string msgstr translated-string
.comment
すべてのコメントにマッチします(翻訳者コメント、抽出されたコメント、ソースファイルへの参照コメント、フラグコメント、以前のメッセージであることを示すコメント、同様にすべての廃止されたコメント)。
.translator-comment
翻訳者のコメントにマッチします。
.extracted-comment
抽出されたコメントにマッチします(例: 翻訳者への注意を換気するためにプログラマーにより記述されたコメント)。
.reference-comment
ソースファイルへの参照コメントにマッチします(行全体)。
.reference
ソースファイルへの参照コメント行中の、特定のソースファイルへの参照にマッチします。
.flag-comment
フラグコメントにマッチします(行全体)。
.flag
フラグコメント行の中の、特定のフラグにマッチします。
.fuzzy-flag
コメント行中の‘fuzzy’フラグにマッチします。
.previous-comment
以前の未翻訳文字列に含まれるコメントにマッチします(行全体)。
.previous
区切り文字、結びつけられたキーワード(msgid
など)、それらの文字列間の空白を含んだ、以前の未翻訳文字列にマッチします。
.msgid
区切り文字、結びつけられたキーワード(msgid
など)、それらの文字列間の空白を含んだ、未翻訳文字列にマッチします。
.msgstr
区切り文字、結びつけられたキーワード(msgstr
など)、それらの文字列間の空白を含んだ、翻訳済みの文字列にマッチします。
.keyword
キーワード(msgid
、msgstr
など)にマッチします。
.string
区切り文字(2重引用符)を含む文字列にマッチします。
.text
文字列の内容全体にマッチします(区切り文字は除く例: 2重引用符)。
.escape-sequence
(バックスラッシュで始まる)エスケープシーケンスにマッチします。
.format-directive
書式指定文字列にマッチします(多くの言語では‘%’、java-format
とcsharp-format
では‘{’、lisp-format
とscheme-format
では‘~’、sh-format
では‘$’で開始されます)。
.invalid-format-directive
無効な書式指定文字列にマッチします。
.added
未翻訳文字列中で、以前の未翻訳文字列には無かった文字列にマッチします(このリリースではまだ実装されていません)。
.changed
未翻訳文字列、または以前の未翻訳文字列中で、変更または置き換えられた文字列にマッチします(このリリースではまだ実装されていません)。
.removed
以前の未翻訳文字列中で、現在の未翻訳文字列には無い文字列にマッチします(このリリースではまだ実装されていません)。
これらのselectorは、以下の例のように階層的なselectorとして組み合わせることができます。
.msgstr .invalid-format-directive { color: red; }
上記の例では、翻訳文字列中の無効な書式指定を強調表示しています。
テキストモードでは、pseudo-classes(CSS2 spec, section 5.11)とpseudo-elements(CSS2 spec, section 5.12)はサポートされません。
HTMLモードでの宣言には制限はありません。ブラウザーがサポートする任意のgraphical attributeがサポートされます。
テキストモードでの宣言は以下のプロパティーに制限され、他のプロパティーは暗黙に無視されます。
color
(CSS2 spec, section 14.1)background-color
(CSS2 spec, section 14.2.1)これらのプロパティーはサポートされます。色数はterminalの能力に適合されます。ほとんどのterminalのサポートは8色であることに注意してください。
font-weight
(CSS2 spec, section 15.2.3)このプロパティーはサポートされますが、ほとんどのterminalはnormal
とbold
の2種類のweightしか描画できません。600以上の値を指定したときはbold
として描画されます。
font-style
(CSS2 spec, section 15.2.3)このプロパティーはサポートされます。italic
とoblique
は、同じ方法で描画されます。
text-decoration
(CSS2 spec, section 16.3.1)このプロパティーはサポートされます。値はnone
とunderline
に制限されます。