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9.10 msgexecプログラムの呼び出し

msgexec [option] command [command-option]

msgexecは、翻訳カタログ内のすべての翻訳に、コマンドを適用するためのプログラムです。commandには、標準入力から翻訳を読み込む任意のプログラムを指定できます。呼び出しは、それぞれの翻訳について1回行われます。コマンドの出力は、msgexecの出力となります。msgexec自体の戻り値は、すべての呼び出しにおける最大の戻り値となります。

0’という、特別なビルトインコマンドを呼び出すと、NULL終端された翻訳が出力されます。‘msgexec 0’の出力は、‘xargs -0’の入力として適しています。

それぞれのcommand呼び出しにおいて、環境変数のMSGEXEC_MSGIDMSGEXEC_LOCATIONに、メッセージのmsgidとメッセージを含むPOファイルの場所がバインドされます。メッセージがコンテキストを保有する場合は、環境変数MSGEXEC_MSGCTXTがメッセージのコンテキストにバインドされます(コンテキストを保有していない場合にはバインドされません)。

注意: commandが翻訳カタログ内の翻訳のエンコーディングに対処できるようにするのは、あなたの責任です。commandが特定のエンコーディングを期待する場合、‘msgexec’を呼び出す前に、‘msgconv’プログラムで、翻訳カタログをそのエンコーディングに変換するのが最初のステップとなります。commandがlocaleのエンコーディングを期待しているが、あなたはlocaleのエンコーディングを無視したいときには、最初に‘msgconv’で翻訳カタログをUTF-8に変換してから、環境変数LC_ALLを指定して、‘msgexec’がUTF-8を処理するようにできます。

9.10.1 入力ファイルの位置

-i inputfile
--input=inputfile

入力となるPOファイルです。

-D directory
--directory=directory

ディレクトリーのリストにdirectoryを追加します。このディレクトリーのリストよりソースファイルを検索します。しかし.poファイルが出力されるのは、カレントディレクトリーです。

inputfileが指定されていないか、‘-’が指定された場合は、標準入力から読み込みます。

9.10.2 入力ファイルの構文

-P
--properties-input

入力ファイルがPOファイルの構文ではなく、Javaの.propertiesの構文にのっとったJava ResourceBundleファイルだとみなします。

--stringtable-input

入力ファイルがPOファイルの構文ではなく、NeXTstep/GNUstepのlocalized resourceの.stringsの構文にのっとったファイルだとみなします。

9.10.3 情報的な出力

-h
--help

このヘルプを表示して終了します。

-V
--version

バージョン情報を表示して終了します。