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Appendix F 標準的なエラー

以下は標準的なEmacsにおける、より重要なエラーシンボルを概念別にグループ分けしたリストです。このリストには各シンボルのメッセージ、およびエラーを発生し得る方法へのクロスリファレンスが含まれています。

これらのエラーシンボルはそれぞれ、親となるエラーコンディションのセットをシンボルのリストとして保持します。通常このリストにはエラーシンボル自身とシンボルerrorが含まれます。このリストはerrorより狭義ですが、単一のエラーシンボルより広義であるような中間的なクラス分けのための追加シンボルを含む場合があります。たとえばファイルアクセスでのすべてのエラーはコンディションfile-errorをもちます。ここでわたしたちが、特定のエラーシンボルにたいする追加エラーコンディションに言及していなければ、それがないことを意味しています。

特別な例外としてエラーシンボルquitminibuffer-quitは、quitはエラーはみなさないという理由から、コンディションerrorをもっていません。

これらのエラーシンボルのほとんどはC(主にdata.c)で定義されていますが、いくつかはLispで定義されています。たとえばファイルuserlock.elではfile-lockedfile-supersessionのエラーが定義されています。Emacsとともに配布される専門的なLispライブラリーのいくつかは、それら自身のエラーシンボルを定義しています。それらのすべてをここではリストしません。

エラーの発生とそれを処理する方法についてはエラーを参照してください。

error

メッセージは‘error’。エラーを参照のこと。

quit

メッセージは‘Quit’。quitを参照のこと。

minibuffer-quit

メッセージは‘Quit’。これはquitのサブカテゴリー。quitを参照のこと。

args-out-of-range

メッセージは‘Args out of range’。これはシーケンス、バッファー、その他コンテナー類似オブジェクトにたいして範囲を超えた要素にアクセスを試みたときに発生する。シーケンス、配列、ベクターテキストを参照のこと。

arith-error

メッセージは‘Arithmetic error’。これは0による整数除算を試みたときに発生する。数値の変換算術演算を参照のこと。

beginning-of-buffer

メッセージは‘Beginning of buffer’。文字単位の移動を参照のこと。

buffer-read-only

メッセージは‘Buffer is read-only’。読み取り専用のバッファーを参照のこと。

circular-list

メッセージは‘List contains a loop’。これは循環構造に遭遇時に発生する。循環オブジェクトの読み取り構文を参照のこと。

cl-assertion-failed

メッセージは‘Assertion failed’。これはcl-assertマクロのテスト失敗時に発生する。Assertions in Common Lisp Extensionsを参照のこと。

coding-system-error

メッセージは‘Invalid coding system’。Lispでのコーディングシステムを参照のこと。

cyclic-function-indirection

メッセージは‘Symbol's chain of function indirections contains a loop’。See シンボル関数インダイレクションを参照のこと。

cyclic-variable-indirection

メッセージは‘Symbol's chain of variable indirections contains a loop’。See 変数のエイリアスを参照のこと。

dbus-error

メッセージは‘D-Bus error’。Errors and Events in D-Bus integration in Emacsを参照のこと。

end-of-buffer

メッセージは‘End of buffer’。文字単位の移動を参照のこと。

end-of-file

メッセージは‘End of file during parsing’。これはファイルI/OではなくLispリーダーに属するのでfile-errorのサブカテゴリーではないことに注意のこと。入力関数を参照のこと。

file-already-exists

これはfile-errorのサブカテゴリー。ファイルへの書き込みを参照のこと。

permission-denied

これはこれは何らかの理由により、EmacsによるファイルやディレクトリーへのアクセスをOSが拒否する際に発生するfile-errorのサブカテゴリー。

file-date-error

これはfile-errorのサブカテゴリー。これはcopy-fileを試行して出力ファイルの最終変更時刻のセットに失敗したときに発生する。ファイルの名前と属性の変更を参照のこと。

file-error

このエラーメッセージは、通常はエラーコンディションfile-errorが与えられたときはデータアイテムだけから構築されるので、エラー文字列とサブカテゴリーはここにリストしない。つまりエラー文字列は特に関連しない。しかしこれらのエラーシンボルはerror-messageプロパティをもち、何もデータが与えられなければerror-message使用されるファイルを参照のこと。

file-missing

これはfile-errorのサブカテゴリー。これは存在しないファイルの処理を試みた際に発生する。ファイルの名前と属性の変更を参照のこと。

compression-error

これは圧縮ファイルの処理の問題を起因とするfile-errorのサブカテゴリー。プログラムがロードを行う方法を参照のこと。

file-locked

これはfile-errorのサブカテゴリー。ファイルのロックを参照のこと。

file-supersession

これはfile-errorのサブカテゴリー。バッファーの変更時刻を参照のこと。

file-notify-error

これはfile-errorのサブカテゴリー。ファイル変更による通知を参照のこと。

remote-file-error

これはリモートファイルへのアクセスにおける問題の結果であり、file-errorのサブカテゴリー。Remote Files in The GNU Emacs Manualを参照のこと。このエラーは一般的にリモートファイルへのアクセス試行と別のリモートファイル操作の衝突によりタイマー、プロセスフィルター、プロセスセンチネル、スペシャルイベントにおいて頻出する。一般的にはバグレポートの記述するのが良いアイデアである。Bugs in The GNU Emacs Manualを参照のこと。

ftp-error

これはftpを使用したリモートファイルへのアクセスの問題を起因とするremote-file-errorのサブカテゴリー。Remote Files in The GNU Emacs Manualを参照のこと。

invalid-function

メッセージは‘Invalid function’。シンボル関数インダイレクションを参照のこと。

invalid-read-syntax

メッセージは通常は‘Invalid read syntax’。プリント表現と読み取り構文を参照のこと。このエラーは後の式が続くようなテキストがある際の、eval-expressionのようなコマンドでもraiseされ得る。この場合にはメッセージは‘Trailing garbage following expression’。

invalid-regexp

メッセージは‘Invalid regexp’。正規表現を参照のこと。

mark-inactive

メッセージは‘The mark is not active now’。マークを参照のこと。

no-catch

メッセージは‘No catch for tag’。明示的な非ローカル脱出: catchthrowを参照のこと。

range-error

メッセージはArithmetic range error

overflow-error

メッセージは‘Arithmetic overflow error’。これはrange-errorのサブカテゴリー。これはリミットinteger-widthを超過する整数で発生し得る。整数の基礎を参照のこと。

scan-error

メッセージは‘Scan error’。これは特定の構文解析関数が無効な構文やマッチしないカッコを見つけたときに発生する。慣習的に人間が可読なエラーメッセージ、移動を妨害する開始位置、妨害の終了位置という3つの引数でraiseされる。釣り合いのとれたカッコを越えた移動式のパースを参照のこと。

search-failed

メッセージは‘Search failed’。検索とマッチングを参照のこと。

setting-constant

メッセージは‘Attempt to set a constant symbol’。これはniltmost-positive-fixnummost-negative-fixnumおよびキーワードシンボルへの値の割り当て時に発生する。これはenable-multibyte-charactersや何らかの理由により値の直接割り当てが許されていないインボルへの値の割り当て時にも発生する。変更不可な変数を参照のこと。

text-read-only

メッセージは‘Text is read-only’。これはbuffer-read-onlyのサブカテゴリー。特殊な意味をもつプロパティを参照のこと。

undefined-color

メッセージは‘Undefined color’。カラー名を参照のこと。

user-error

メッセージは空文字列。エラーをシグナルする方法を参照のこと。

user-search-failed

これは‘search-failed’と似ているが、‘user-error’のようにデバッガーをトリガーしない。エラーをシグナルする方法検索とマッチングを参照のこと。これはInfoファイル内での検索に使用される。Search Text in Infoを参照のこと。

void-function

メッセージは‘Symbol's function definition is void’。関数セルの内容へのアクセスを参照のこと。

void-variable

メッセージは‘Symbol's value as variable is void’。変数の値へのアクセスを参照のこと。

wrong-number-of-arguments

メッセージは‘Wrong number of arguments’。リストフォームの分類を参照のこと。

wrong-type-argument

メッセージは‘Wrong type argument’。型のための述語を参照のこと。

unknown-image-type

メッセージは‘Cannot determine image type’. See イメージ

inhibited-interaction

メッセージは‘User interaction while inhibited’。このエラーはinhibit-interactionが非nilの場合に( read-from-minibufferのような)ユーザー対話関数が呼び出されるとシグナルされる。


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