Enrichedモードは、バッファーローカルなマイナーモードです(マイナーモードを参照してください)。‘text/enriched’フォーマットで保存されたファイルをvisitすると、Emacsは自動的にEnrichedモードを有効にし、ファイル内のフォーマット情報をバッファーのテキストに適用します。Enrichedモードが有効なときにバッファーを保存すると、ファイルはフォーマット情報を含む‘text/enriched’フォーマットで保存されます。
フォーマットされたテキストで新しいファイルを作成するには、存在しないファイルをvisitしてM-x enriched-modeとタイプします。このコマンドは実際にEnrichedモードを切り替えます。プレフィクス引数を指定した場合、引数が正のときはEnrichedモードを有効にし、それ以外はEnrichedモードを無効にします。Enrichedモードを無効にすると、Emacsは‘text/enriched’フォーマットでバッファーを保存しなくなります。バッファーに追加されたフォーマットプロパティはバッファーに残りますが、ディスクには保存されません。
Enrichedモードは、すべてのEmacsのテキストプロパティを保存しません。変数enriched-translations
に指定されたものだけを保存します。これにはフォント、カラー、インデント、行端揃えのプロパティが含まれます。
ファイルをvisitしたとき、ファイルが‘text/enriched’フォーマットだとEmacsが認識できなかった場合は、M-x format-decode-bufferとタイプします。このコマンドはファイルフォーマットの入力を求め、そのフォーマットでファイルを再読み込みします。‘text/enriched’フォーマットを指定することにより、自動的にEnrichedモードが有効になります。
‘text/enriched’ファイルをraw形式(フォーマットされたテキストではなく、マークアップタグを伴う通常テキスト)として閲覧するには、M-x find-file-literallyを使用します(ファイルのvisit(訪問)を参照してください)。
Emacsが‘text/enriched’のようなファイルフォーマットを認識・変換する方法については、Format Conversion in the Emacs Lisp Reference Manualを参照してください。テキストプロパティについての詳細は、Text Properties in the Emacs Lisp Reference Manualを参照してください。