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32.19 Diredでのイメージとサムネイルの閲覧

Image-Diredはイメージファイルをブラウズする機能です。これはイメージファイルにたいして、Emacs内または外部ビューアーを用いたサムネイルまたはフルサイズでの閲覧を提供します。これはEmacsバッファー内でイメージファイルをvisitするImageモードとは異なります(イメージファイルのvisitを参照)。

Image-Diredに入るには、Diredバッファーで見たいイメージファイルを、通常のようにmを使ってマークします。それからC-t d (image-dired-display-thumbs)とタイプします。これはマークしたファイルに対応するImage-Diredのバッファーを作成して切り替えます。

M-x image-diredとタイプすることにより、直接Image-Diredに入ることもできます。これはディレクトリーの入力を求めるので、イメージファイルがあるディレクトリーを指定します。これによりそのディレクトリーにある、すべてのイメージファイルのサムネイルが作成され、それらはthumbnailバッファーに表示されます。サムネイルはバックグラウンドで生成されて利用可能になるとロードされます。

Image-Direではサムネイルの生成と格納を行う3つのメソッドがサポートされており、それらはオプションimage-dired-thumbnail-storageの値で制御できます:

image-dired

これは変数image-dired-dirで指定された単一のディレクトリーにサムネイルをJPEGイメージとして格納するメソッドです。これがデフォルトです。このメソッドの場合には、image-dired-thumb-namingの値に応じてサムネイルファイルの名前が構築されます。

standard
standard-large
standard-x-large
standard-xx-large

これらのThumbnail Managing Standardによって義務づけられたメソッドは、環境変数XDG_CACHE_HOME (デフォルトは~/.cache)によって指定されたディレクトリーのサブディレクトリーthumbnails配下に、PNGイメージとしてサムネイルを格納します。

per-directory

このメソッドはディレクトリーそれぞれにたいして、サブディレクトリー.image-diredjpegイメージとしてサムネイルを格納します。

変数image-dired-thumb-sizeをカスタマイズして、サムネイルイメージのサイズを制御できます。デフォルトは128ピクセルです。この変数に効果があるのは上記1つ目と3つ目のメソッドのサムネイルストレージだけです。Thumbnail Managing Standardはstandardは128ピクセル、standard-largeは256ピクセルといったように、メソッドごとに決定される固定サイズを使用しています。作成済みのサムネイルのサイズを後から変更するには、新たなサイズが効力をもつようにサムネイルのディレクトリーからサムネイルファイルを削除する必要があるでしょう。

サムネイルバッファーにポイントがある際には、RET(image-dired-display-this)とタイプしてそのイメージを別ウィンドウに表示できます。サムネイルバッファー内の移動には、Emacsの標準の移動用キーバインディングや矢印キーを使用します。ポイントを進めて次のイメージを簡単にブラウジングするにはSPC (image-dired-display-next)を使用します。ポイントを前のサムネイルに移動して表示するためには、DEL (image-dired-display-previous)を使用してください。

C-RET (image-dired-thumbnail-display-external)とタイプすると、イメージを外部ビューアーで表示します。これは最初にimage-dired-external-viewerを設定しなければなりません。

Image-Diredを通じて、イメージを削除することもできます。d (image-dired-flag-thumb-original-file)とタイプすると、Diredバッファーでそのイメージに削除のフラグをつけます。他にもthumbnailバッファーでC-d (image-dired-delete-char)とタイプすれば、イメージに削除フラグをつけなくてもサムネイルイメージを削除することもできます。

“インライン”で操作を行う(Diredバッファーに直接入る)ためにImage-Diredを使うこともできます。C-t C-tとタイプすれば、Diredで選択されているイメージの名前の前にサムネイルが表示されます(image-dired-dired-toggle-marked-thumbs)。C-t iとタイプするとポイントの下にあるイメージをEmacsで表示、C-t xなら外部ビューアーで表示します。

さらに上級の機能として、イメージタグ(image tags)があります。これはイメージをカテゴリー分けするために使用されるメタデータです。このタグは、image-dired-tags-db-fileにより設定されるプレーンテキストファイルに格納されます。

イメージファイルにタグ付けするには、それらをDiredバッファーでマークして(thumbnailバッファーでmをタイプして、Diredのファイルをマークすることもできます)、C-t t (image-dired-tag-files)とタイプします。このコマンドはミニバッファーでタグ名読み取ります。特定のタグをもつファイルをマークするには、C-t f (image-dired-mark-tagged-files)とタイプします。特定のタグをもつイメージファイルをマークした後は、C-t dを使ってそれらを閲覧することができます。

thumbnailバッファーから直接ファイルにタグ付けするにはt tとタイプし、タグを削除するにはt rとタイプします。各ファイルにたいして、“コメント”と呼ばれる特別なタグがあります(コメントは他のタグと正確に同じ意味でのタグではありません。コメントは若干異なる扱いをされるからです)。コメントタグは、イメージについてのコメントや説明を入力するのに使用されます。thumbnailバッファーでコメントするには、cとタイプします。これはコメントの入力を求めます。Diredからコメントを追加するにはC-t c (image-dired-dired-comment-files)、C-t e (image-dired-dired-edit-comment-and-tags)とタイプするとコメントとタグを編集するためのバッファーを表示します。

exiftoolツールがインストールされていれば、サムネイルのイメージファイルポイント位置でimage-dired-thumbnail-set-image-descriptionコマンドを呼び出して、EXIFの‘ImageDescription’タグをセットできます。このコマンドはイメージの説明の入力を求めて、それにEXIFタグを追加します。

image-dired-thumb-visible-marksが非nil (デフォルト)なら、DiredでマークしたファイルはImage-Diredでもマークされます。

Image-Diredは、シンプルなイメージ操作も提供します。thumbnailバッファーでLとタイプすると、オリジナルのイメージを反時計回りに90度ローテートし、Rで時計回りにローテートします。このローテーションは損失がなく、jpegtranと呼ばれる外部ユーティリティーを使用し、これは最初にインストールする必要があります。

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