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Image-Diredはイメージファイルをブラウズする機能です。これはイメージファイルにたいして、Emacs内または外部ビューアーを用いたサムネイルまたはフルサイズでの閲覧を提供します。これはEmacsバッファー内でイメージファイルをvisitするImageモードとは異なります(イメージファイルのvisitを参照)。
Image-Diredに入るには、Diredバッファーで見たいイメージファイルを、通常のようにmを使ってマークします。それからC-t
d
(image-dired-display-thumbs
)とタイプします。これはマークしたファイルに対応するImage-Diredのバッファーを作成して切り替えます。
M-x image-diredとタイプすることにより、直接Image-Diredに入ることもできます。これはディレクトリーの入力を求めるので、イメージファイルがあるディレクトリーを指定します。これによりそのディレクトリーにある、すべてのイメージファイルのサムネイルが作成され、それらはthumbnailバッファーに表示されます。サムネイルはバックグラウンドで生成されて利用可能になるとロードされます。
Image-Direではサムネイルの生成と格納を行う3つのメソッドがサポートされており、それらはオプションimage-dired-thumbnail-storage
の値で制御できます:
image-dired
これは変数image-dired-dir
で指定された単一のディレクトリーにサムネイルをJPEGイメージとして格納するメソッドです。これがデフォルトです。このメソッドの場合には、image-dired-thumb-naming
の値に応じてサムネイルファイルの名前が構築されます。
standard
standard-large
standard-x-large
standard-xx-large
これらのThumbnail Managing Standardによって義務づけられたメソッドは、環境変数XDG_CACHE_HOME
(デフォルトは~/.cache)によって指定されたディレクトリーのサブディレクトリーthumbnails配下に、PNGイメージとしてサムネイルを格納します。
per-directory
このメソッドはディレクトリーそれぞれにたいして、サブディレクトリー.image-diredにjpegイメージとしてサムネイルを格納します。
変数image-dired-thumb-size
をカスタマイズして、サムネイルイメージのサイズを制御できます。デフォルトは128ピクセルです。この変数に効果があるのは上記1つ目と3つ目のメソッドのサムネイルストレージだけです。Thumbnail
Managing
Standardはstandard
は128ピクセル、standard-large
は256ピクセルといったように、メソッドごとに決定される固定サイズを使用しています。作成済みのサムネイルのサイズを後から変更するには、新たなサイズが効力をもつようにサムネイルのディレクトリーからサムネイルファイルを削除する必要があるでしょう。
サムネイルバッファーにポイントがある際には、RET(image-dired-display-this
)とタイプしてそのイメージを別ウィンドウに表示できます。サムネイルバッファー内の移動には、Emacsの標準の移動用キーバインディングや矢印キーを使用します。ポイントを進めて次のイメージを簡単にブラウジングするにはSPC
(image-dired-display-next
)を使用します。ポイントを前のサムネイルに移動して表示するためには、DEL
(image-dired-display-previous
)を使用してください。
C-RET
(image-dired-thumbnail-display-external
)とタイプすると、イメージを外部ビューアーで表示します。これは最初にimage-dired-external-viewer
を設定しなければなりません。
Image-Diredを通じて、イメージを削除することもできます。d
(image-dired-flag-thumb-original-file
)とタイプすると、Diredバッファーでそのイメージに削除のフラグをつけます。他にもthumbnailバッファーでC-d
(image-dired-delete-char
)とタイプすれば、イメージに削除フラグをつけなくてもサムネイルイメージを削除することもできます。
“インライン”で操作を行う(Diredバッファーに直接入る)ためにImage-Diredを使うこともできます。C-t
C-tとタイプすれば、Diredで選択されているイメージの名前の前にサムネイルが表示されます(image-dired-dired-toggle-marked-thumbs
)。C-t
iとタイプするとポイントの下にあるイメージをEmacsで表示、C-t xなら外部ビューアーで表示します。
さらに上級の機能として、イメージタグ(image
tags)があります。これはイメージをカテゴリー分けするために使用されるメタデータです。このタグは、image-dired-tags-db-file
により設定されるプレーンテキストファイルに格納されます。
イメージファイルにタグ付けするには、それらをDiredバッファーでマークして(thumbnailバッファーでmをタイプして、Diredのファイルをマークすることもできます)、C-t
t
(image-dired-tag-files
)とタイプします。このコマンドはミニバッファーでタグ名読み取ります。特定のタグをもつファイルをマークするには、C-t
f
(image-dired-mark-tagged-files
)とタイプします。特定のタグをもつイメージファイルをマークした後は、C-t
dを使ってそれらを閲覧することができます。
thumbnailバッファーから直接ファイルにタグ付けするにはt tとタイプし、タグを削除するにはt
rとタイプします。各ファイルにたいして、“コメント”と呼ばれる特別なタグがあります(コメントは他のタグと正確に同じ意味でのタグではありません。コメントは若干異なる扱いをされるからです)。コメントタグは、イメージについてのコメントや説明を入力するのに使用されます。thumbnailバッファーでコメントするには、cとタイプします。これはコメントの入力を求めます。Diredからコメントを追加するにはC-t
c (image-dired-dired-comment-files
)、C-t e
(image-dired-dired-edit-comment-and-tags
)とタイプするとコメントとタグを編集するためのバッファーを表示します。
exiftool
ツールがインストールされていれば、サムネイルのイメージファイルポイント位置でimage-dired-thumbnail-set-image-description
コマンドを呼び出して、EXIFの‘ImageDescription’タグをセットできます。このコマンドはイメージの説明の入力を求めて、それにEXIFタグを追加します。
image-dired-thumb-visible-marks
が非nil
(デフォルト)なら、DiredでマークしたファイルはImage-Diredでもマークされます。
Image-Diredは、シンプルなイメージ操作も提供します。thumbnailバッファーでLとタイプすると、オリジナルのイメージを反時計回りに90度ローテートし、Rで時計回りにローテートします。このローテーションは損失がなく、jpegtran
と呼ばれる外部ユーティリティーを使用し、これは最初にインストールする必要があります。