ウィンドウに表示されるバッファーの中には、編集のためではなく閲覧するためのものがあります。Helpコマンド(ヘルプを参照)は通常、この目的のために*Help*と呼ばれるバッファーを使用し、ミニバッファーの補完(補完を参照)は別の*Completions*と呼ばれるバッファーなどを使用します。このようなバッファーは通常、短時間しか表示されません。
Emacsは通常、このような一時的に表示されるウィンドウを、前のサブセクションで説明したようにdisplay-buffer
を通じて表示します。一方、*Completions*バッファーは通常、そのフレームにいくつウィンドウが表示されているかに関わらず、選択されたフレームの最下のウィンドウに表示されます。
一時的なバッファーを他のやり方でEmacsに表示させたい場合、変数display-buffer-alist
(Choosing a Window for Displaying a Buffer in The Emacs Lisp
Reference
Manualを参照)をカスタマイズしてください。たとえば、常に選択されたウィンドウの下に*Completions*を表示するには、初期化ファイル(Emacs初期化ファイルを参照)で以下のフォームを使用します:
(setopt display-buffer-alist '(("\\*Completions\\*" display-buffer-below-selected)))
Emacsは通常、バッファーの内容のすべてを表示するのに必要な大きさのウィンドウを作成するという点において、*Completions*バッファーは特別です。たとえば*Help*バッファーなど、他の一時表示でこのようなウィンドウのリサイズを行なうには、マイナーモード(マイナーモードを参照)のtemp-buffer-resize-mode
(Temporary Displays in The Emacs Lisp Reference
Manualを参照)に切り替えます。
temp-buffer-resize-mode
でリサイズされるウィンドウの最大サイズは、オプションtemp-buffer-max-height
とtemp-buffer-max-width
(Temporary Displays in The Emacs Lisp
Reference Manualを参照)で制御できます。最大サイズは、ウィンドウが含まれるフレームのサイズを超えることはできません。