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1.4 Symbol Names and Function Definitions

これまでの議論にもとづき、Lispのもう1つの特徴を明らかにすることができます。それは+のようなシンボル自体は、コンピューターが実行可能な命令セットではないという重要な特徴です。シンボルとは命令セットが定義された位置を示す手段として、(もしかしたら一時的に)使用されるものなのです。わたしたちは、シンボルとは命令を見つけることができる名前であることを見てきました。人間の場合でも、名前は同じ方法によって機能します。わたしのことを‘Bob’として参照できますが、わたしはアルファベットの‘B’、‘o’、‘b’ではない、特定の生物に一貫して関連付けられている、あるいは関連付けられていた意識です。名前はわたしではありませんが、わたしを参照するために使用することができます。

Lispでは1つの命令セットに複数の名前を関連付けることができます。たとえば数値を加算するコンピューター命令にたいして、+と同じようにシンボルplusをリンクすることができます(いくつかのLisp方言に実在する)。人間同士では、‘Bob’と同じようにわたしのことを‘Robert’や他の単語で参照することができます。

その一方で、あるシンボルにたいして一度n関連付けることができる関数定義は1つだけです。そうしないと、どれを定義として使えばよいかコンピューターが混乱してしまうでしょう。人間同士の場合に置き換えると、‘Bob’という名前をもつのは一人だけということになります。とはいえ、名前によって参照される関数定義は簡単に変更できます(Install a Function Definitionを参照)。

Emacs Lispは巨大なので、Emacsのどの部分に属するかを識別できる方法で関数を命名する慣例となっています。したがってTexinfoを取り扱う関数の名前は‘texinfo-’、メールを読むための関数の名前はすべて‘rmail-’で始まります。

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