このセクションでは任意の種類のシーケンスを許す関数を説明します。
この関数はobjectがリスト、ベクター、文字列、ブールベクター、文字テーブルならt
、それ以外はnil
をリターンする。以下のseqp
も参照のこと。
この関数はsequence内の要素の数をリターンする。sequenceがシーケンス以外、またはドットリストならwrong-type-argument
エラーをシグナルする。引数が循環リストならcircular-list
エラーをシグナルする。文字テーブルではEmacsの最大文字コードより1大きい値が常にリターンされる。
関連する関数safe-length
についてはDefinition of safe-lengthを参照のこと。
(length '(1 2 3)) ⇒ 3
(length ()) ⇒ 0
(length "foobar") ⇒ 6
(length [1 2 3]) ⇒ 3
(length (make-bool-vector 5 nil)) ⇒ 5
テキストの表現方法のstring-bytes
も参照されたい。
ディスプレイ上での文字列の幅を計算する必要があるなら、文字数だけを数えて各文字のディスプレイ幅を計算しないlength
ではなく、string-width
(表示されるテキストのサイズを参照)を使用すること。
sequenceがlengthより短ければ非nil
をリターンする。これはsequenceが長いリストの場合にsequenceの長さを計算するより効率的かもしれない。
sequenceがlengthより長ければ非nil
をリターンする。
sequenceの長さがlengthなら非nil
をリターンする。
この関数はindexによりインデックスづけされた、sequenceの要素をリターンする。indexの値として妥当なのは、0からsequenceの長さより1小さい数までの範囲の整数。sequenceがリストなら範囲外の値はnth
と同じように振る舞う。Definition of nthを参照のこと。それ以外なら範囲外の値はargs-out-of-range
エラーを引き起こす。
(elt [1 2 3 4] 2) ⇒ 3
(elt '(1 2 3 4) 2) ⇒ 3
;; elt
がどの文字をreturnするか明確にするためにstring
を使用
(string (elt "1234" 2))
⇒ "3"
(elt [1 2 3 4] 4) error→ Args out of range: [1 2 3 4], 4
(elt [1 2 3 4] -1) error→ Args out of range: [1 2 3 4], -1
この関数はaref
(配列を操作する関数を参照)とnth
(Definition of nthを参照)を一般化したものである。
この関数はseqr (シーケンスかレコードであること)のコピーをリターンする。コピーはオリジナルと同じオブジェクト型であり、同じ要素を同じ順序でもつ。しかしseqrが空なら長さが0の文字列やベクターと同じように関数がリターンする値はコピーではないかもしれないが、seqrと同じ型の空のオブジェクトである。
コピーに新しい要素を格納するのは元のseqrに影響を与えずその逆も真である。しかし新しいシーケンス内の要素はコピーではなく、元のシーケンスの要素と同一(eq
)になる。したがってコピーされたシーケンスを介して見つかった要素を変更するとオリジナルでも変更を見ることができる。
引数がテキストプロパティをもつ文字列なら、コピー内のプロパティリスト自身もコピーとなり、元のシーケンスのプロパティリストと共有はされない。しかしプロパティリストの実際の値は共有される。テキストのプロパティを参照のこと。
この関数はドットリストでは機能しない。循環リストのコピーは無限ループを起こすだろう。
シーケンスをコピーする別の方法についてはコンスセルおよびリストの構築のappend
、文字列の作成のconcat
、ベクターのための関数のvconcat
も参照されたい。
(setq bar (list 1 2)) ⇒ (1 2)
(setq x (vector 'foo bar)) ⇒ [foo (1 2)]
(setq y (copy-sequence x)) ⇒ [foo (1 2)]
(eq x y) ⇒ nil
(equal x y) ⇒ t
(eq (elt x 1) (elt y 1)) ⇒ t
;; 一方のシーケンスの要素を置き換え
(aset x 0 'quux)
x ⇒ [quux (1 2)]
y ⇒ [foo (1 2)]
;; 共有された要素の内部を変更
(setcar (aref x 1) 69)
x ⇒ [quux (69 2)]
y ⇒ [foo (69 2)]
この関数はsequenceの要素を反転した要素をもつ新たなシーケンスを作成する。元となる引数sequenceは変更されない。文字テーブルは反転できないことに注意。
(setq x '(1 2 3 4)) ⇒ (1 2 3 4)
(reverse x) ⇒ (4 3 2 1) x ⇒ (1 2 3 4)
(setq x [1 2 3 4]) ⇒ [1 2 3 4]
(reverse x) ⇒ [4 3 2 1] x ⇒ [1 2 3 4]
(setq x "xyzzy") ⇒ "xyzzy"
(reverse x) ⇒ "yzzyx" x ⇒ "xyzzy"
この関数はsequenceの要素を反転する。reverse
とは異なり、元となるsequenceは変更されるかもしれない。
たとえば:
(setq x (list 'a 'b 'c)) ⇒ (a b c)
x ⇒ (a b c) (nreverse x) ⇒ (c b a)
;; 先頭にあったコンスセルが末尾となった
x
⇒ (a)
混乱しないように、通常は元となるリストを保持する同じ変数に、nreverse
の結果を書き戻す:
(setq x (nreverse x))
お馴染の例(a b c)
のnreverse
を以下に図示する:
Original list head: Reversed list: ------------- ------------- ------------ | car | cdr | | car | cdr | | car | cdr | | a | nil |<-- | b | o |<-- | c | o | | | | | | | | | | | | | | ------------- | --------- | - | -------- | - | | | | ------------- ------------
setqが不要なのでベクターはより単純になる:
(setq x (copy-sequence [1 2 3 4])) ⇒ [1 2 3 4] (nreverse x) ⇒ [4 3 2 1] x ⇒ [4 3 2 1]
reverse
とは異なり、この関数は文字列では機能しない。aset
を使用して文字列データを変更できても、たとえmutableであったとしても文字列は不変として扱うことを強く推奨する。可変性を参照のこと。
この関数はsequence (リストかベクターでなければならない)をソートして、同じタイプのソートされたシーケンスをリターンする。安定ソートを行う(ソートキーが等しい要素の相対順が保たれることを意味する)。オプションで以下のキーワード引数を受け取る:
:key keyfunc
比較に用いるキーの生成に、sequenceの1つの要素を単一の引数としてそのキーの値をリターンする関数sequenceを使用する。この引数がない、あるいはkeyfuncがnil
ならidentity
、すなわちその要素自体がソートのキーとして使用されるものとみなす。
:lessp predicate
キーの順序を決めるためにpredicateを使用する。predicateは2つのソートキーを引数として、1つ目が2つ目の前のキーの場合には非nil
をリターンする関数。この引数がない、あるいはpredicateがnil
なら、異なる多くのLispタイプに適し一般的には昇順でソートを行うvalue<
が使用される(以下のdefinition of value<を参照)。
一貫性を保つために、すべての述語は以下のルールにしたがわなければならない:
:reverse flag
flagが非nil
なら、ソート順が逆になる。デフォルトは述語:lessp
であり、これは降順のソートを意味する。
:in-place flag
flagが非nil
なら、sequenceがインプレースで(破壊的に)ソートされてリターンされる。nil
、あるいはこの引数が与えられなければ入力のコピーをソートしてリターンして、sequence自体は変更されない。インプレースのソートは若干高速だが、元のシーケンスは失われる。
デフォルトの挙動がニーズに適さない場合には、通常は述語:lessp
とは異なる新たな:key
関数を指定するほうが容易だし早い。たとえば以下の文字列のソートで考えてみよう:
(setq numbers '("one" "two" "three" "four" "five" "six")) (sort numbers) ⇒ ("five" "four" "one" "six" "three" "two")
かわりに別のkey関数としてlengthを指定して文字列をソートできる:
(sort numbers :key #'length) ⇒ ("one" "two" "six" "four" "five" "three")
安定ソートのおかげで同じ長さの文字列の元の順序が保たれていることに注意。今度は長さでソートして、同じ順位なら文字列の内容で順位を決める場合を考える。要素をこの方法でソートされた値に変換するようなkey関数を指定するのが、もっとも簡単な方法だろう。value<
は合成オブジェクト(コンス、リスト、ベクター、レコード)を辞書順に比較するので、以下のように記述できる:
(sort numbers :key (lambda (x) (cons (length x) x))) ⇒ ("one" "six" "two" "five" "four" "three")
(3 . "two")
より順序が前の(3 . "six")
は前、といったようにソートされるだろう。
前のバージョンのEmacsとの互換性のために、固定された2つの引数形式を用いてsort
関数を呼び出すこともできる:
(sort
sequence predicate)
ここではpredicateが:lessp
引数に相当する。この形式を使用する際には、ソートは常にインプレースで行われる。
ソートを行う他の関数についてはテキストのソートを参照してください。sort
の有用な例は、ドキュメント文字列へのアクセスのdocumentation
を参照してください。
この関数は標準のソート順においてaがbの前なら非nil
をリターンする。これはbがaの前、あるいは順位が等しいか順序付けされていなければnil
をリターンすることを意味する。
引数aとbは同じタイプでなければならない。特に:
<
を用いて比較される(definition of <を参照)。
string-lessp
(definition of string-lesspを参照)を用いて比較される。さらにシンボルは名前を文字列として比較される。
value<
で比較した結果となることを意味する。相違を探す間に一方のシーケンスの要素がもう一方のシーケンスの前に使い果たされた場合には、短い方のシーケンスが長いシーケンスの前になる。
nil
)のバッファーは生きたすべてのバッファーの前として比較される。
nil
。
たとえば:
(value< -4 3.5) ⇒ t (value< "dog" "cat") ⇒ nil (value< 'yip 'yip) ⇒ nil (value< '(3 2) '(3 2 0)) ⇒ t (value< [3 2 "a"] [3 2 "b"]) ⇒ t
nil
がシンボル、あるいは空リストのいずれとして扱われるかは、比較する対象次第であることに注意。
(value< nil '(0)) ⇒ t (value< 'nib nil) ⇒ t
比較可能なシーケンス(リスト、ベクター等)の長さに制限はないが、循環していたり深くネストされたデータ構造の比較に用いるとエラーで失敗するかもしれない。
seq.elライブラリーは、以下のようなプレフィクスseq-
がついたシーケンス操作用の追加のマクロと関数を提供します。
このライブラリー内で定義されたすべての関数は、副作用をもちません。これらは引数として渡されたすべてのシーケンス(リスト、ベクター、文字列)を変更しません。特に明記しなければ、結果は入力と同じ型のシーケンスです。述語を受け取る関数では、それらは単一の関数である必要があります。
seq.elライブラリーは、シーケンシャルなデータ構造の追加型で機能するように拡張可能です。そのためにすべての関数はcl-defgeneric
を使用して定義されています。cl-defgeneric
を使用した拡張の追加に関する詳細は、ジェネリック関数を参照してください。
この関数はindex(有効な範囲は0からsequenceの長さより1少ない整数)で指定されたsequenceの要素をリターンする。ビルトインのシーケンス型にたいする範囲外(out-of-range)の値にたいして、seq-elt
はelt
と同様に振る舞う。詳細はDefinition of eltを参照のこと。
(seq-elt [1 2 3 4] 2) ⇒ 3
seq-elt
はsetf
を使用してセット可能なplaceをリターンする(setf
マクロを参照)。
(setq vec [1 2 3 4]) (setf (seq-elt vec 2) 5) vec ⇒ [1 2 5 4]
この関数はsequence内の要素の個数をリターンする。ビルトインのシーケンス型にたいしてseq-length
はlength
と同様に振る舞う。Definition of lengthを参照のこと。
この関数はobjectがシーケンス(リストか配列)、またはseq.elのジェネリック関数を通じて定義されたすべての追加シーケンス型なら非nil
をリターンする。これはsequencep
の拡張された変種である。
(seqp [1 2]) ⇒ t
(seqp 2) ⇒ nil
この関数はsequenceの最初のn個(整数)を除く、すべての要素をリターンする.nが0以下なら結果はsequence。
(seq-drop [1 2 3 4 5 6] 3) ⇒ [4 5 6]
(seq-drop "hello world" -4) ⇒ "hello world"
この関数はsequenceの最初のn個(整数)の要素をリターンする。nが0以下なら結果はnil
。
(seq-take '(1 2 3 4) 3) ⇒ (1 2 3)
(seq-take [1 2 3 4] 0) ⇒ []
この関数はsequenceのメンバーを順にリターンし、predicateが最初にnil
をリターンした要素の前で停止する。
(seq-take-while (lambda (elt) (> elt 0)) '(1 2 3 -1 -2)) ⇒ (1 2 3)
(seq-take-while (lambda (elt) (> elt 0)) [-1 4 6]) ⇒ []
この関数はpredicateが最初にnil
をリターンした要素から、sequenceのメンバーを順にリターンする。
(seq-drop-while (lambda (elt) (> elt 0)) '(1 2 3 -1 -2)) ⇒ (-1 -2)
(seq-drop-while (lambda (elt) (< elt 0)) [1 4 6]) ⇒ [1 4 6]
この関数は(最大で)長さlengthのsequenceの部分シーケンスから構成されるリストをリターンする(sequenceの長さがlengthの倍数でなければ最後の要素の長さはlengthより短くなるかもしれない)。
(seq-split [0 1 2 3 4] 2) ⇒ ([0 1] [2 3] [4])
この関数はsequenceの各要素にたいして、(恐らくは副作用を得るために)順番にfunctionを適用して、sequenceをリターンする。
この関数はsequenceの各要素にfunctionを適用した結果をリターンする。リターン値はリスト。
(seq-map #'1+ '(2 4 6)) ⇒ (3 5 7)
(seq-map #'symbol-name [foo bar]) ⇒ ("foo" "bar")
この関数はsequenceの各要素およびseqであるようなインデックスにfunctionを適用した結果をリターンする。リターン値はリスト。
(seq-map-indexed (lambda (elt idx) (list idx elt)) '(a b c)) ⇒ ((0 a) (1 b) (2 c))
この関数はsequencesの各要素にfunctionを適用した結果をリターンする。 functionのarity (関数が受け取れる引数の個数。subr-arityを参照)はシーケンスの個数にマッチしなければならない。マッピングは最短のシーケンス終端で停止する。リターン値はリスト。
(seq-mapn #'+ '(2 4 6) '(20 40 60)) ⇒ (22 44 66)
(seq-mapn #'concat '("moskito" "bite") ["bee" "sting"]) ⇒ ("moskitobee" "bitesting")
この関数はpredicateが非nil
をリターンしたsequence内のすべての要素のリストをリターンする。
(seq-filter (lambda (elt) (> elt 0)) [1 -1 3 -3 5]) ⇒ (1 3 5)
(seq-filter (lambda (elt) (> elt 0)) '(-1 -3 -5)) ⇒ nil
この関数はpredicateがnil
をリターンしたsequence内のすべての要素のリストをリターンする。
(seq-remove (lambda (elt) (> elt 0)) [1 -1 3 -3 5]) ⇒ (-1 -3)
(seq-remove (lambda (elt) (< elt 0)) '(-1 -3 -5)) ⇒ nil
この関数はインデックスn (0基準)にある要素が削除されたsequenceのコピーをリターンする。結果のタイプはsequenceと同じ。
(seq-remove-at-position [1 -1 3 -3 5] 0) ⇒ [-1 3 -3 5]
(seq-remove-at-position [1 -1 3 -3 5] 3) ⇒ [1 -1 3 5]
この関数はsequenceの要素それぞれにたいしてfunctionを呼び出して、結果が非nil
だった要素すべてからなるリストをリターンする。
(seq-keep #'cl-digit-char-p '(?6 ?a ?7)) ⇒ (6 7)
この関数はinitial-valueとsequenceの1つ目の要素でfunctionを呼び出し、次にその結果とsequenceの2つ目の要素でfunctionを呼び出し、その次にその結果とsequenceの3つ目の要素で、...と呼び出した結果をリターンする。functionは引数が2つの関数であること。
functionは2つの引数で呼び出される。1つ目の引数としてinitial-value (その後は累積値)、2つ目の引数としてsequence内の要素が使用される。
sequenceが空なら、functionを呼び出さずにinitial-valueをリターンする。
(seq-reduce #'+ [1 2 3 4] 0) ⇒ 10
(seq-reduce #'+ '(1 2 3 4) 5) ⇒ 15
(seq-reduce #'+ '() 3) ⇒ 3
この関数はsequenceの各要素に順にpredicateを適用してリターンされた、最初の非nil
値をリターンする。
(seq-some #'numberp ["abc" 1 nil]) ⇒ t
(seq-some #'numberp ["abc" "def"]) ⇒ nil
(seq-some #'null ["abc" 1 nil]) ⇒ t
(seq-some #'1+ [2 4 6]) ⇒ 3
この関数はpredicateが非nil
をリターンした、sequence内の最初の要素をリターンする。predicateにマッチする要素がなければ、この関数はdefaultをリターンする。
この関数は見つかった要素がdefaultと等しい場合、要素が見つかったかどうかを知る術がないので曖昧さをもつことに注意。
(seq-find #'numberp ["abc" 1 nil]) ⇒ 1
(seq-find #'numberp ["abc" "def"]) ⇒ nil
この関数はsequenceの各要素にpredicateを適用して、すべてが非nil
をリターンしたら非nil
をリターンする。
(seq-every-p #'numberp [2 4 6]) ⇒ t
(seq-every-p #'numberp [2 4 "6"]) ⇒ nil
この関数はsequenceが空ならnil
をリターンする。
(seq-empty-p "not empty") ⇒ nil
(seq-empty-p "") ⇒ t
この関数はsequence内でpredicateが非nil
をリターンした要素の個数をリターンする。
(seq-count (lambda (elt) (> elt 0)) [-1 2 0 3 -2]) ⇒ 2
この関数はfunctionに応じてソートされたsequenceのコピーをリターンする。functionは2つの引数を受け取り、1つ目の引数が2つ目より前にソートされるべきなら非nil
をリターンする。
この関数はseq-sort
と似ているがソート前にsequenceの要素にfunctionを適用して変換する点が異なる。functionは単一の引数を受け取る関数。
(seq-sort-by #'seq-length #'> ["a" "ab" "abc"]) ⇒ ["abc" "ab" "a"]
この関数はsequence内の少なくとも1つの要素がeltとequalなら非nil
をリターンする。オプション引数functionが非nil
なら、それはデフォルトのequal
のかわりに使用する2つの引数を受け取る関数であること。
(seq-contains-p '(symbol1 symbol2) 'symbol1) ⇒ t
(seq-contains-p '(symbol1 symbol2) 'symbol3) ⇒ nil
この関数は順序とは無関係にsequence1とsequence2が同じ要素を含むかどうかをチェックする。オプション引数testfnが非nil
なら、デフォルトのequal
のかわりに使用する2つの引数を受け取る関数であること。
(seq-set-equal-p '(a b c) '(c b a)) ⇒ t
(seq-set-equal-p '(a b c) '(c b)) ⇒ nil
(seq-set-equal-p '("a" "b" "c") '("c" "b" "a")) ⇒ t
(seq-set-equal-p '("a" "b" "c") '("c" "b" "a") #'eq) ⇒ nil
この関数はeltとequal
であるようなsequence内の最初の要素のインデックス(0基準)をリターンする。オプション引数functionが非nil
なら、それはデフォルトのequal
のかわりに使用する2つの引数を受け取る関数であること。
(seq-position '(a b c) 'b) ⇒ 1
(seq-position '(a b c) 'd) ⇒ nil
この関数はsequenceの要素それぞれにたいして、eltとともに引数としてtestfnを呼び出し、非nil
をリターンするような要素のインデックス(0基準)のリストをリターンする。testfnのデフォルトはequal
。
(seq-positions '(a b c a d) 'a) ⇒ (0 3)
(seq-positions '(a b c a d) 'z) ⇒ nil
(seq-positions '(11 5 7 12 9 15) 10 #'>=) ⇒ (0 3 5)
この関数は重複を削除したsequenceの要素のリストをリターンする。オプション引数functionが非nil
なら、それはデフォルトのequal
のかわりに使用する2つの引数を受け取る関数であること。
(seq-uniq '(1 2 2 1 3)) ⇒ (1 2 3)
(seq-uniq '(1 2 2.0 1.0) #'=) ⇒ (1 2)
この関数はsequenceのstartからend(いずれも整数)までのサブセットをリターンする(endのデフォルトは最後の要素)。startかendが負ならsequenceの最後から数える。
(seq-subseq '(1 2 3 4 5) 1) ⇒ (2 3 4 5)
(seq-subseq '[1 2 3 4 5] 1 3) ⇒ [2 3]
(seq-subseq '[1 2 3 4 5] -3 -1) ⇒ [3 4]
この関数はsequencesを結合して作成されたtype型のシーケンスをリターンする。typeはvector
、list
、string
のいずれか。
(seq-concatenate 'list '(1 2) '(3 4) [5 6]) ⇒ (1 2 3 4 5 6)
(seq-concatenate 'string "Hello " "world") ⇒ "Hello world"
この関数はsequenceの各要素にfunctionを適用した結果に、seq-concatenate
を適用した結果をリターンする。結果はtype型のシーケンス、またはtypeがnil
ならリストである。
(seq-mapcat #'seq-reverse '((3 2 1) (6 5 4))) ⇒ (1 2 3 4 5 6)
この関数は長さnのサブシーケンスへグループ化したsequenceの要素のリストをリターンする。最後のシーケンスに含まれる要素はnより少ないかもしれない。nは整数であること。nが0以下の整数ならリターン値はnil
。
(seq-partition '(0 1 2 3 4 5 6 7) 3) ⇒ ((0 1 2) (3 4 5) (6 7))
この関数はsequence1とsequence2のいずれかに出現する要素のリストをリターンする。リターンされるリストの要素はすべて、2要素を比較してequalにならないという意味において一意である。オプション引数functionが非nil
なら、それはデフォルトのequal
のかわりに比較に使用する2つの引数を受け取る関数であること。
(seq-union [1 2 3] [3 5]) ⇒ (1 2 3 5)
この関数はsequence1とsequence2の両方に出現する要素のリストをリターンする。オプション引数functionが非nil
なら、それはデフォルトのequal
のかわりに比較に使用する2つの引数を受け取る関数であること。
(seq-intersection [2 3 4 5] [1 3 5 6 7]) ⇒ (3 5)
この関数はsequence1に出現するがsequence2に出現しない要素のリストをリターンする。オプション引数functionが非nil
なら、それはデフォルトのequal
のかわりに比較に使用する2つの引数を受け取る関数であること。
(seq-difference '(2 3 4 5) [1 3 5 6 7]) ⇒ (2 4)
この関数はsequenceの各要素にfunctionを適用して、その結果をキーとしてsequenceをalistに分割する。キーの比較にはequal
を使用する。
(seq-group-by #'integerp '(1 2.1 3 2 3.2)) ⇒ ((t 1 3 2) (nil 2.1 3.2))
(seq-group-by #'car '((a 1) (b 2) (a 3) (c 4))) ⇒ ((b (b 2)) (a (a 1) (a 3)) (c (c 4)))
この関数はシーケンスsequenceをtype型のシーケンスに変換する。typeはvector
、string
、list
のいずれかであること。
(seq-into [1 2 3] 'list) ⇒ (1 2 3)
(seq-into nil 'vector) ⇒ []
(seq-into "hello" 'vector) ⇒ [104 101 108 108 111]
この関数はsequenceの最小の要素をリターンする。sequenceの要素は数字かマーカー(マーカーを参照)でなければならない。
(seq-min [3 1 2]) ⇒ 1
(seq-min "Hello") ⇒ 72
この関数はsequenceの最大の要素をリターンする。sequenceの要素は数字かマーカーでなければならない。
(seq-max [1 3 2]) ⇒ 3
(seq-max "Hello") ⇒ 111
このマクロはdolist
(dolistを参照)と同様だが、sequenceにリスト、ベクター、文字列のいずれかを指定できる点が異なる。これ主な利点は副作用である。
このマクロはvar-sequence内で定義される変数にval-sequenceの対応する要素をバインドする。これは分割代入(destructuring binding)として知られている。var-sequenceの要素は、ネストされた非構造化を許容することにより自身にシーケンスを含むことができる。
var-sequenceシーケンスには、val-sequenceの残りにバインドされる変数名が後続するような&rest
マーカーを含めることもできる。
(seq-let [first second] [1 2 3 4] (list first second)) ⇒ (1 2)
(seq-let (_ a _ b) '(1 2 3 4) (list a b)) ⇒ (2 4)
(seq-let [a [b [c]]] [1 [2 [3]]] (list a b c)) ⇒ (1 2 3)
(seq-let [a b &rest others] [1 2 3 4] others)
⇒ [3 4]
pcase
パターンは分割代入にたいする代替えの機能を提供する。pcase
パターンによる分解を参照のこと。
このマクロはseq-let
と同様に機能するが、let
ではなくあたかもsetq
で値が変数にバインドされる点が異なる。
(let ((a nil) (b nil)) (seq-setq (_ a _ b) '(1 2 3 4)) (list a b)) ⇒ (2 4)
この関数はsequenceの要素をランダムにリターンする。
(seq-random-elt [1 2 3 4]) ⇒ 3 (seq-random-elt [1 2 3 4]) ⇒ 2 (seq-random-elt [1 2 3 4]) ⇒ 4 (seq-random-elt [1 2 3 4]) ⇒ 2 (seq-random-elt [1 2 3 4]) ⇒ 1
sequenceが空ならこの関数はエラーをシグナルする。