6.1 シーケンス

このセクションでは任意の種類のシーケンスを許す関数を説明します。

Function: sequencep object

この関数はobjectがリスト、ベクター、文字列、ブールベクター、文字テーブルならt、それ以外はnilをリターンする。以下のseqpも参照のこと。

Function: length sequence

この関数はsequence内の要素の数をリターンする。sequenceがシーケンス以外、またはドットリストならwrong-type-argumentエラーをシグナルする。引数が循環リストならcircular-listエラーをシグナルする。文字テーブルではEmacsの最大文字コードより1大きい値が常にリターンされる。

関連する関数safe-lengthについてはDefinition of safe-lengthを参照のこと。

(length '(1 2 3))
    ⇒ 3
(length ())
    ⇒ 0
(length "foobar")
    ⇒ 6
(length [1 2 3])
    ⇒ 3
(length (make-bool-vector 5 nil))
    ⇒ 5

テキストの表現方法string-bytesも参照されたい。

ディスプレイ上での文字列の幅を計算する必要があるなら、文字数だけを数えて各文字のディスプレイ幅を計算しないlengthではなく、string-width (表示されるテキストのサイズを参照)を使用すること。

Function: length< sequence length

sequencelengthより短ければ非nilをリターンする。これはsequenceが長いリストの場合にsequenceの長さを計算するより効率的かもしれない。

Function: length> sequence length

sequencelengthより長ければ非nilをリターンする。

Function: length= sequence length

sequenceの長さがlengthなら非nilをリターンする。

Function: elt sequence index

この関数はindexによりインデックスづけされた、sequenceの要素をリターンする。indexの値として妥当なのは、0からsequenceの長さより1小さい数までの範囲の整数。sequenceがリストなら範囲外の値はnthと同じように振る舞う。Definition of nthを参照のこと。それ以外なら範囲外の値はargs-out-of-rangeエラーを引き起こす。

(elt [1 2 3 4] 2)
     ⇒ 3
(elt '(1 2 3 4) 2)
     ⇒ 3
;; eltがどの文字をreturnするか明確にするためにstringを使用
(string (elt "1234" 2))
     ⇒ "3"
(elt [1 2 3 4] 4)
     error→ Args out of range: [1 2 3 4], 4
(elt [1 2 3 4] -1)
     error→ Args out of range: [1 2 3 4], -1

この関数はaref (配列を操作する関数を参照)とnth (Definition of nthを参照)を一般化したものである。

Function: copy-sequence seqr

この関数はseqr (シーケンスかレコードであること)のコピーをリターンする。コピーはオリジナルと同じオブジェクト型であり、同じ要素を同じ順序でもつ。しかしseqrが空なら長さが0の文字列やベクターと同じように関数がリターンする値はコピーではないかもしれないが、seqrと同じ型の空のオブジェクトである。

コピーに新しい要素を格納するのは元のseqrに影響を与えずその逆も真である。しかし新しいシーケンス内の要素はコピーではなく、元のシーケンスの要素と同一(eq)になる。したがってコピーされたシーケンスを介して見つかった要素を変更するとオリジナルでも変更を見ることができる。

引数がテキストプロパティをもつ文字列なら、コピー内のプロパティリスト自身もコピーとなり、元のシーケンスのプロパティリストと共有はされない。しかしプロパティリストの実際の値は共有される。テキストのプロパティを参照のこと。

この関数はドットリストでは機能しない。循環リストのコピーは無限ループを起こすだろう。

シーケンスをコピーする別の方法についてはコンスセルおよびリストの構築append文字列の作成concatベクターのための関数vconcatも参照されたい。

(setq bar (list 1 2))
     ⇒ (1 2)
(setq x (vector 'foo bar))
     ⇒ [foo (1 2)]
(setq y (copy-sequence x))
     ⇒ [foo (1 2)]

(eq x y)
     ⇒ nil
(equal x y)
     ⇒ t
(eq (elt x 1) (elt y 1))
     ⇒ t

;; 一方のシーケンスの要素を置き換え
(aset x 0 'quux)
x ⇒ [quux (1 2)]
y ⇒ [foo (1 2)]

;; 共有された要素の内部を変更
(setcar (aref x 1) 69)
x ⇒ [quux (69 2)]
y ⇒ [foo (69 2)]
Function: reverse sequence

この関数はsequenceの要素を反転した要素をもつ新たなシーケンスを作成する。元となる引数sequence変更されない。文字テーブルは反転できないことに注意。

(setq x '(1 2 3 4))
     ⇒ (1 2 3 4)
(reverse x)
     ⇒ (4 3 2 1)
x
     ⇒ (1 2 3 4)
(setq x [1 2 3 4])
     ⇒ [1 2 3 4]
(reverse x)
     ⇒ [4 3 2 1]
x
     ⇒ [1 2 3 4]
(setq x "xyzzy")
     ⇒ "xyzzy"
(reverse x)
     ⇒ "yzzyx"
x
     ⇒ "xyzzy"
Function: nreverse sequence

この関数はsequenceの要素を反転する。reverseとは異なり、元となるsequenceは変更されるかもしれない。

たとえば:

(setq x (list 'a 'b 'c))
     ⇒ (a b c)
x
     ⇒ (a b c)
(nreverse x)
     ⇒ (c b a)
;; 先頭にあったコンスセルが末尾となった
x
     ⇒ (a)

混乱しないように、通常は元となるリストを保持する同じ変数に、nreverseの結果を書き戻す:

(setq x (nreverse x))

お馴染の例(a b c)nreverseを以下に図示する:

Original list head:                       Reversed list:
 -------------        -------------        ------------
| car  | cdr  |      | car  | cdr  |      | car | cdr  |
|   a  |  nil |<--   |   b  |   o  |<--   |   c |   o  |
|      |      |   |  |      |   |  |   |  |     |   |  |
 -------------    |   --------- | -    |   -------- | -
                  |             |      |            |
                   -------------        ------------

setqが不要なのでベクターはより単純になる:

(setq x (copy-sequence [1 2 3 4]))
     ⇒ [1 2 3 4]
(nreverse x)
     ⇒ [4 3 2 1]
x
     ⇒ [4 3 2 1]

reverseとは異なり、この関数は文字列では機能しない。asetを使用して文字列データを変更できても、たとえmutableであったとしても文字列は不変として扱うことを強く推奨する。可変性を参照のこと。

Function: sort sequence &rest keyword-args

この関数はsequence (リストかベクターでなければならない)をソートして、同じタイプのソートされたシーケンスをリターンする。安定ソートを行う(ソートキーが等しい要素の相対順が保たれることを意味する)。オプションで以下のキーワード引数を受け取る:

:key keyfunc

比較に用いるキーの生成に、sequenceの1つの要素を単一の引数としてそのキーの値をリターンする関数sequenceを使用する。この引数がない、あるいはkeyfuncnilならidentity、すなわちその要素自体がソートのキーとして使用されるものとみなす。

:lessp predicate

キーの順序を決めるためにpredicateを使用する。predicateは2つのソートキーを引数として、1つ目が2つ目の前のキーの場合には非nilをリターンする関数。この引数がない、あるいはpredicatenilなら、異なる多くのLispタイプに適し一般的には昇順でソートを行うvalue<が使用される(以下のdefinition of value<を参照)。

一貫性を保つために、すべての述語は以下のルールにしたがわなければならない:

  • 反対称的(antisymmetric)でなければならない: 順序がab、かつbaの前であってはならない。
  • 推移的(transitive)でなければならない: abの前にあり、かつbcの前にあるなら、acの前になければならない。
:reverse flag

flagが非nilなら、ソート順が逆になる。デフォルトは述語:lesspであり、これは降順のソートを意味する。

:in-place flag

flagが非nilなら、sequenceがインプレースで(破壊的に)ソートされてリターンされる。nil、あるいはこの引数が与えられなければ入力のコピーをソートしてリターンして、sequence自体は変更されない。インプレースのソートは若干高速だが、元のシーケンスは失われる。

デフォルトの挙動がニーズに適さない場合には、通常は述語:lesspとは異なる新たな:key関数を指定するほうが容易だし早い。たとえば以下の文字列のソートで考えてみよう:

(setq numbers '("one" "two" "three" "four" "five" "six"))
(sort numbers)
     ⇒ ("five" "four" "one" "six" "three" "two")

かわりに別のkey関数としてlengthを指定して文字列をソートできる:

(sort numbers :key #'length)
     ⇒ ("one" "two" "six" "four" "five" "three")

安定ソートのおかげで同じ長さの文字列の元の順序が保たれていることに注意。今度は長さでソートして、同じ順位なら文字列の内容で順位を決める場合を考える。要素をこの方法でソートされた値に変換するようなkey関数を指定するのが、もっとも簡単な方法だろう。value<は合成オブジェクト(コンス、リスト、ベクター、レコード)を辞書順に比較するので、以下のように記述できる:

(sort numbers :key (lambda (x) (cons (length x) x)))
     ⇒ ("one" "six" "two" "five" "four" "three")

(3 . "two")より順序が前の(3 . "six")は前、といったようにソートされるだろう。

前のバージョンのEmacsとの互換性のために、固定された2つの引数形式を用いてsort関数を呼び出すこともできる:

(sort sequence predicate)

ここではpredicate:lessp引数に相当する。この形式を使用する際には、ソートは常にインプレースで行われる。

ソートを行う他の関数についてはテキストのソートを参照してください。sortの有用な例は、ドキュメント文字列へのアクセスdocumentationを参照してください。

Function: value< a b

この関数は標準のソート順においてabの前なら非nilをリターンする。これはbaの前、あるいは順位が等しいか順序付けされていなければnilをリターンすることを意味する。

引数abは同じタイプでなければならない。特に:

  • 数値は<を用いて比較される(definition of <を参照)。
  • 文字列はstring-lessp (definition of string-lesspを参照)を用いて比較される。さらにシンボルは名前を文字列として比較される。
  • コンス、リスト、ベクター、レコードは辞書順で比較される。これは2つのシーケンスの要素それぞれが相違するまで左から右へと比較されて、要素の相違した最初のペアーをvalue<で比較した結果となることを意味する。相違を探す間に一方のシーケンスの要素がもう一方のシーケンスの前に使い果たされた場合には、短い方のシーケンスが長いシーケンスの前になる。
  • マーカーは最初にバッファー、次に位置で比較される。
  • バッファー、およびプロセスは名前を文字列として比較される。死んだバッファー(名前がnil)のバッファーは生きたすべてのバッファーの前として比較される。
  • 上記以外のタイプは順序付けされていないとみなされ、リターン値はnil

たとえば:

(value< -4 3.5) ⇒ t
(value< "dog" "cat") ⇒ nil
(value< 'yip 'yip) ⇒ nil
(value< '(3 2) '(3 2 0)) ⇒ t
(value< [3 2 "a"] [3 2 "b"]) ⇒ t

nilがシンボル、あるいは空リストのいずれとして扱われるかは、比較する対象次第であることに注意。

(value< nil '(0)) ⇒ t
(value< 'nib nil) ⇒ t

比較可能なシーケンス(リスト、ベクター等)の長さに制限はないが、循環していたり深くネストされたデータ構造の比較に用いるとエラーで失敗するかもしれない。

seq.elライブラリーは、以下のようなプレフィクスseq-がついたシーケンス操作用の追加のマクロと関数を提供します。

このライブラリー内で定義されたすべての関数は、副作用をもちません。これらは引数として渡されたすべてのシーケンス(リスト、ベクター、文字列)を変更しません。特に明記しなければ、結果は入力と同じ型のシーケンスです。述語を受け取る関数では、それらは単一の関数である必要があります。

seq.elライブラリーは、シーケンシャルなデータ構造の追加型で機能するように拡張可能です。そのためにすべての関数はcl-defgenericを使用して定義されています。cl-defgenericを使用した拡張の追加に関する詳細は、ジェネリック関数を参照してください。

Function: seq-elt sequence index

この関数はindex(有効な範囲は0からsequenceの長さより1少ない整数)で指定されたsequenceの要素をリターンする。ビルトインのシーケンス型にたいする範囲外(out-of-range)の値にたいして、seq-elteltと同様に振る舞う。詳細はDefinition of eltを参照のこと。

(seq-elt [1 2 3 4] 2)
⇒ 3

seq-eltsetfを使用してセット可能なplaceをリターンする(setfマクロを参照)。

(setq vec [1 2 3 4])
(setf (seq-elt vec 2) 5)
vec
⇒ [1 2 5 4]
Function: seq-length sequence

この関数はsequence内の要素の個数をリターンする。ビルトインのシーケンス型にたいしてseq-lengthlengthと同様に振る舞う。Definition of lengthを参照のこと。

Function: seqp object

この関数はobjectがシーケンス(リストか配列)、またはseq.elのジェネリック関数を通じて定義されたすべての追加シーケンス型なら非nilをリターンする。これはsequencepの拡張された変種である。

(seqp [1 2])
⇒ t
(seqp 2)
⇒ nil
Function: seq-drop sequence n

この関数はsequenceの最初のn個(整数)を除く、すべての要素をリターンする.nが0以下なら結果はsequence

(seq-drop [1 2 3 4 5 6] 3)
⇒ [4 5 6]
(seq-drop "hello world" -4)
⇒ "hello world"
Function: seq-take sequence n

この関数はsequenceの最初のn個(整数)の要素をリターンする。nが0以下なら結果はnil

(seq-take '(1 2 3 4) 3)
⇒ (1 2 3)
(seq-take [1 2 3 4] 0)
⇒ []
Function: seq-take-while predicate sequence

この関数はsequenceのメンバーを順にリターンし、predicateが最初にnilをリターンした要素の前で停止する。

(seq-take-while (lambda (elt) (> elt 0)) '(1 2 3 -1 -2))
⇒ (1 2 3)
(seq-take-while (lambda (elt) (> elt 0)) [-1 4 6])
⇒ []
Function: seq-drop-while predicate sequence

この関数はpredicateが最初にnilをリターンした要素から、sequenceのメンバーを順にリターンする。

(seq-drop-while (lambda (elt) (> elt 0)) '(1 2 3 -1 -2))
⇒ (-1 -2)
(seq-drop-while (lambda (elt) (< elt 0)) [1 4 6])
⇒ [1 4 6]
Function: seq-split sequence length

この関数は(最大で)長さlengthsequenceの部分シーケンスから構成されるリストをリターンする(sequenceの長さがlengthの倍数でなければ最後の要素の長さはlengthより短くなるかもしれない)。

(seq-split [0 1 2 3 4] 2)
⇒ ([0 1] [2 3] [4])
Function: seq-do function sequence

この関数はsequenceの各要素にたいして、(恐らくは副作用を得るために)順番にfunctionを適用して、sequenceをリターンする。

Function: seq-map function sequence

この関数はsequenceの各要素にfunctionを適用した結果をリターンする。リターン値はリスト。

(seq-map #'1+ '(2 4 6))
⇒ (3 5 7)
(seq-map #'symbol-name [foo bar])
⇒ ("foo" "bar")
Function: seq-map-indexed function sequence

この関数はsequenceの各要素およびseqであるようなインデックスにfunctionを適用した結果をリターンする。リターン値はリスト。

(seq-map-indexed (lambda (elt idx)
                   (list idx elt))
                 '(a b c))
⇒ ((0 a) (1 b) (2 c))
Function: seq-mapn function &rest sequences

この関数はsequencesの各要素にfunctionを適用した結果をリターンする。 functionのarity (関数が受け取れる引数の個数。subr-arityを参照)はシーケンスの個数にマッチしなければならない。マッピングは最短のシーケンス終端で停止する。リターン値はリスト。

(seq-mapn #'+ '(2 4 6) '(20 40 60))
⇒ (22 44 66)
(seq-mapn #'concat '("moskito" "bite") ["bee" "sting"])
⇒ ("moskitobee" "bitesting")
Function: seq-filter predicate sequence

この関数はpredicateが非nilをリターンしたsequence内のすべての要素のリストをリターンする。

(seq-filter (lambda (elt) (> elt 0)) [1 -1 3 -3 5])
⇒ (1 3 5)
(seq-filter (lambda (elt) (> elt 0)) '(-1 -3 -5))
⇒ nil
Function: seq-remove predicate sequence

この関数はpredicatenilをリターンしたsequence内のすべての要素のリストをリターンする。

(seq-remove (lambda (elt) (> elt 0)) [1 -1 3 -3 5])
⇒ (-1 -3)
(seq-remove (lambda (elt) (< elt 0)) '(-1 -3 -5))
⇒ nil
Function: seq-remove-at-position sequence n

この関数はインデックスn (0基準)にある要素が削除されたsequenceのコピーをリターンする。結果のタイプはsequenceと同じ。

(seq-remove-at-position [1 -1 3 -3 5] 0)
⇒ [-1 3 -3 5]
(seq-remove-at-position [1 -1 3 -3 5] 3)
⇒ [1 -1 3 5]
Function: seq-keep function sequence

この関数はsequenceの要素それぞれにたいしてfunctionを呼び出して、結果が非nilだった要素すべてからなるリストをリターンする。

(seq-keep #'cl-digit-char-p '(?6 ?a ?7))
⇒ (6 7)
Function: seq-reduce function sequence initial-value

この関数はinitial-valuesequenceの1つ目の要素でfunctionを呼び出し、次にその結果とsequenceの2つ目の要素でfunctionを呼び出し、その次にその結果とsequenceの3つ目の要素で、...と呼び出した結果をリターンする。functionは引数が2つの関数であること。

functionは2つの引数で呼び出される。1つ目の引数としてinitial-value (その後は累積値)、2つ目の引数としてsequence内の要素が使用される。

sequenceが空なら、functionを呼び出さずにinitial-valueをリターンする。

(seq-reduce #'+ [1 2 3 4] 0)
⇒ 10
(seq-reduce #'+ '(1 2 3 4) 5)
⇒ 15
(seq-reduce #'+ '() 3)
⇒ 3
Function: seq-some predicate sequence

この関数はsequenceの各要素に順にpredicateを適用してリターンされた、最初の非nil値をリターンする。

(seq-some #'numberp ["abc" 1 nil])
⇒ t
(seq-some #'numberp ["abc" "def"])
⇒ nil
(seq-some #'null ["abc" 1 nil])
⇒ t
(seq-some #'1+ [2 4 6])
⇒ 3
Function: seq-find predicate sequence &optional default

この関数はpredicateが非nilをリターンした、sequence内の最初の要素をリターンする。predicateにマッチする要素がなければ、この関数はdefaultをリターンする。

この関数は見つかった要素がdefaultと等しい場合、要素が見つかったかどうかを知る術がないので曖昧さをもつことに注意。

(seq-find #'numberp ["abc" 1 nil])
⇒ 1
(seq-find #'numberp ["abc" "def"])
⇒ nil
Function: seq-every-p predicate sequence

この関数はsequenceの各要素にpredicateを適用して、すべてが非nilをリターンしたら非nilをリターンする。

(seq-every-p #'numberp [2 4 6])
⇒ t
(seq-every-p #'numberp [2 4 "6"])
⇒ nil
Function: seq-empty-p sequence

この関数はsequenceが空ならnilをリターンする。

(seq-empty-p "not empty")
⇒ nil
(seq-empty-p "")
⇒ t
Function: seq-count predicate sequence

この関数はsequence内でpredicateが非nilをリターンした要素の個数をリターンする。

(seq-count (lambda (elt) (> elt 0)) [-1 2 0 3 -2])
⇒ 2
Function: seq-sort function sequence

この関数はfunctionに応じてソートされたsequenceのコピーをリターンする。functionは2つの引数を受け取り、1つ目の引数が2つ目より前にソートされるべきなら非nilをリターンする。

Function: seq-sort-by function predicate sequence

この関数はseq-sortと似ているがソート前にsequenceの要素にfunctionを適用して変換する点が異なる。functionは単一の引数を受け取る関数。

(seq-sort-by #'seq-length #'> ["a" "ab" "abc"])
⇒ ["abc" "ab" "a"]
Function: seq-contains-p sequence elt &optional function

この関数はsequence内の少なくとも1つの要素がeltとequalなら非nilをリターンする。オプション引数functionが非nilなら、それはデフォルトのequalのかわりに使用する2つの引数を受け取る関数であること。

(seq-contains-p '(symbol1 symbol2) 'symbol1)
⇒ t
(seq-contains-p '(symbol1 symbol2) 'symbol3)
⇒ nil
Function: seq-set-equal-p sequence1 sequence2 &optional testfn

この関数は順序とは無関係にsequence1sequence2が同じ要素を含むかどうかをチェックする。オプション引数testfnが非nilなら、デフォルトのequalのかわりに使用する2つの引数を受け取る関数であること。

(seq-set-equal-p '(a b c) '(c b a))
⇒ t
(seq-set-equal-p '(a b c) '(c b))
⇒ nil
(seq-set-equal-p '("a" "b" "c") '("c" "b" "a"))
⇒ t
(seq-set-equal-p '("a" "b" "c") '("c" "b" "a") #'eq)
⇒ nil
Function: seq-position sequence elt &optional function

この関数はeltequalであるようなsequence内の最初の要素のインデックス(0基準)をリターンする。オプション引数functionが非nilなら、それはデフォルトのequalのかわりに使用する2つの引数を受け取る関数であること。

(seq-position '(a b c) 'b)
⇒ 1
(seq-position '(a b c) 'd)
⇒ nil
Function: seq-positions sequence elt &optional testfn

この関数はsequenceの要素それぞれにたいして、eltとともに引数としてtestfnを呼び出し、非nilをリターンするような要素のインデックス(0基準)のリストをリターンする。testfnのデフォルトはequal

(seq-positions '(a b c a d) 'a)
⇒ (0 3)
(seq-positions '(a b c a d) 'z)
⇒ nil
(seq-positions '(11 5 7 12 9 15) 10 #'>=)
⇒ (0 3 5)
Function: seq-uniq sequence &optional function

この関数は重複を削除したsequenceの要素のリストをリターンする。オプション引数functionが非nilなら、それはデフォルトのequalのかわりに使用する2つの引数を受け取る関数であること。

(seq-uniq '(1 2 2 1 3))
⇒ (1 2 3)
(seq-uniq '(1 2 2.0 1.0) #'=)
⇒ (1 2)
Function: seq-subseq sequence start &optional end

この関数はsequencestartからend(いずれも整数)までのサブセットをリターンする(endのデフォルトは最後の要素)。startendが負ならsequenceの最後から数える。

(seq-subseq '(1 2 3 4 5) 1)
⇒ (2 3 4 5)
(seq-subseq '[1 2 3 4 5] 1 3)
⇒ [2 3]
(seq-subseq '[1 2 3 4 5] -3 -1)
⇒ [3 4]
Function: seq-concatenate type &rest sequences

この関数はsequencesを結合して作成されたtype型のシーケンスをリターンする。typevectorliststringのいずれか。

(seq-concatenate 'list '(1 2) '(3 4) [5 6])
⇒ (1 2 3 4 5 6)
(seq-concatenate 'string "Hello " "world")
⇒ "Hello world"
Function: seq-mapcat function sequence &optional type

この関数はsequenceの各要素にfunctionを適用した結果に、seq-concatenateを適用した結果をリターンする。結果はtype型のシーケンス、またはtypenilならリストである。

(seq-mapcat #'seq-reverse '((3 2 1) (6 5 4)))
⇒ (1 2 3 4 5 6)
Function: seq-partition sequence n

この関数は長さnのサブシーケンスへグループ化したsequenceの要素のリストをリターンする。最後のシーケンスに含まれる要素はnより少ないかもしれない。nは整数であること。nが0以下の整数ならリターン値はnil

(seq-partition '(0 1 2 3 4 5 6 7) 3)
⇒ ((0 1 2) (3 4 5) (6 7))
Function: seq-union sequence1 sequence2 &optional function

この関数はsequence1sequence2のいずれかに出現する要素のリストをリターンする。リターンされるリストの要素はすべて、2要素を比較してequalにならないという意味において一意である。オプション引数functionが非nilなら、それはデフォルトのequalのかわりに比較に使用する2つの引数を受け取る関数であること。

(seq-union [1 2 3] [3 5])
⇒ (1 2 3 5)
Function: seq-intersection sequence1 sequence2 &optional function

この関数はsequence1sequence2の両方に出現する要素のリストをリターンする。オプション引数functionが非nilなら、それはデフォルトのequalのかわりに比較に使用する2つの引数を受け取る関数であること。

(seq-intersection [2 3 4 5] [1 3 5 6 7])
⇒ (3 5)
Function: seq-difference sequence1 sequence2 &optional function

この関数はsequence1に出現するがsequence2に出現しない要素のリストをリターンする。オプション引数functionが非nilなら、それはデフォルトのequalのかわりに比較に使用する2つの引数を受け取る関数であること。

(seq-difference '(2 3 4 5) [1 3 5 6 7])
⇒ (2 4)
Function: seq-group-by function sequence

この関数はsequenceの各要素にfunctionを適用して、その結果をキーとしてsequenceをalistに分割する。キーの比較にはequalを使用する。

(seq-group-by #'integerp '(1 2.1 3 2 3.2))
⇒ ((t 1 3 2) (nil 2.1 3.2))
(seq-group-by #'car '((a 1) (b 2) (a 3) (c 4)))
⇒ ((b (b 2)) (a (a 1) (a 3)) (c (c 4)))
Function: seq-into sequence type

この関数はシーケンスsequencetype型のシーケンスに変換する。typevectorstringlistのいずれかであること。

(seq-into [1 2 3] 'list)
⇒ (1 2 3)
(seq-into nil 'vector)
⇒ []
(seq-into "hello" 'vector)
⇒ [104 101 108 108 111]
Function: seq-min sequence

この関数はsequenceの最小の要素をリターンする。sequenceの要素は数字かマーカー(マーカーを参照)でなければならない。

(seq-min [3 1 2])
⇒ 1
(seq-min "Hello")
⇒ 72
Function: seq-max sequence

この関数はsequenceの最大の要素をリターンする。sequenceの要素は数字かマーカーでなければならない。

(seq-max [1 3 2])
⇒ 3
(seq-max "Hello")
⇒ 111
Macro: seq-doseq (var sequence) body…

このマクロはdolist (dolistを参照)と同様だが、sequenceにリスト、ベクター、文字列のいずれかを指定できる点が異なる。これ主な利点は副作用である。

Macro: seq-let var-sequence val-sequence body…

このマクロはvar-sequence内で定義される変数にval-sequenceの対応する要素をバインドする。これは分割代入(destructuring binding)として知られている。var-sequenceの要素は、ネストされた非構造化を許容することにより自身にシーケンスを含むことができる。

var-sequenceシーケンスには、val-sequenceの残りにバインドされる変数名が後続するような&restマーカーを含めることもできる。

(seq-let [first second] [1 2 3 4]
  (list first second))
⇒ (1 2)
(seq-let (_ a _ b) '(1 2 3 4)
  (list a b))
⇒ (2 4)
(seq-let [a [b [c]]] [1 [2 [3]]]
  (list a b c))
⇒ (1 2 3)
(seq-let [a b &rest others] [1 2 3 4]
  others)
⇒ [3 4]

pcaseパターンは分割代入にたいする代替えの機能を提供する。pcaseパターンによる分解を参照のこと。

Macro: seq-setq var-sequence val-sequence

このマクロはseq-letと同様に機能するが、letではなくあたかもsetqで値が変数にバインドされる点が異なる。

(let ((a nil)
      (b nil))
  (seq-setq (_ a _ b) '(1 2 3 4))
  (list a b))
⇒ (2 4)
Function: seq-random-elt sequence

この関数はsequenceの要素をランダムにリターンする。

(seq-random-elt [1 2 3 4])
⇒ 3
(seq-random-elt [1 2 3 4])
⇒ 2
(seq-random-elt [1 2 3 4])
⇒ 4
(seq-random-elt [1 2 3 4])
⇒ 2
(seq-random-elt [1 2 3 4])
⇒ 1

sequenceが空ならこの関数はエラーをシグナルする。


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