メールバッファーのヘッダーフィールドは、行の最初がフィールド名で始まります。フィールド名はコロンで終端されます。フィールド名で大文字小文字は区別されません。コロンとオプションの空白文字の後に、フィールドの内容を記述します。
好きな名前のヘッダーフィールドを使用できますが、多くの人は通常、一般に認められた意味をもつは、標準的なフィールド名だけを使用します。
ヘッダーフィールド‘From’は、電子メールを送信した人(あとえばあなた)を識別します。これは有効なメールアドレスである必要があります。なぜなら、通常はそのアドレスに返信されるからです。このヘッダーフィールドのデフォルトの内容は、変数user-full-name
(あなたのフルネームを指定します)とuser-mail-address
(あなたの電子メールアドレス)から計算されます。いくつかのオペレーティングシステムでは、Emacsはこの2つの変数を環境変数から初期化します(一般的な変数を参照してください)。この情報が利用不可能か間違っている場合、変数を自分でカスタマイズする必要があります(Easy Customizationインターフェースを参照してください)。
以下は‘From’以外の、一般的に使用されるフィールドの表です:
メッセージを送信するメールアドレスです。複数のアドレスを記述するには、それらを区切るのにカンマを使用します。
メッセージのsubjectです。
メッセージを送信する追加のメールアドレスです。これは‘To’と似ていますが、受取人はそのメッセージが自分宛だと思うべきではありません。
実際に送信するメッセージのヘッダーには現れない、追加のメッセージ送信先のメールアドレスです。‘BCC’はblind carbon copiesが由来です。
送信されたメッセージのコピーが追加されるべき、ファイルの名前です。ファイルがBabyl形式(Emacs23以前のRmailで使用されていました)の場合、EmacsはBabyl形式で書き込み、それ以外はmbox形式で書き込みます。Rmailバッファーがそのファイルをvisitしている場合、Emacsはそれに合わせて更新します。複数のファイルを指定するには、複数の‘FCC’フィールドを使用して、各フィールドに1つのファイル名を記述します。
‘From’のかわりとなる、返信が送信されるべきアドレスです。これは何らかの理由により、‘From’のアドレスが返信を受け取れないときに使用します。
このフィールドは‘Reply-To’より優先されます。メーリングリストの中には、‘Reply-To’を独自の目的(問題の多い、何らかの方法)のために使用しているものがあるため、これが使用されます。
follow-upメッセージのための、デフォルトの受取人のために使用する1つ以上のアドレスです。これは通常、登録しているメーリングリストからメッセージを受信するとき、余分なコピーを送らせないようにしたいときに使用します。
返信するメッセージのための識別子です。ほとんどのメールリーダーは、関連するメッセージをまとめてグループ化するためにこの情報を使用します。このヘッダーは通常、Emacsに組み込まれた任意のメールプログラムでメッセージに返信するとき、自動的に充填されます。
以前の関連するメッセージのための識別子です。‘In-reply-To’と同じように、これは通常、自動的に充填されます。
‘To’、‘CC’、‘BCC’のフィールドは何回記述してもよく、また各フィールドにはカンマで括って複数のアドレスを含めることができます。この方法により、メッセージを送信する複数の場所を指定できます。これらのフィールドには継続行も使用できます。フィールドの開始行に続く、空白文字で始まる1行以上の行は、そのフィールドの一部とみなされます。以下は継続行を使用した‘To’フィールドの例です:
To: foo@example.net, this@example.net, bob@example.com
変数mail-default-headers
に文字列をセットすることにより、特定のデフォルトヘッダーを挿入するよう、Emacsに指示できます。これによりC-x
mでメッセージヘッダーにその文字列が挿入されます。たとえば以下は、各メッセージにヘッダー‘Reply-To’と‘FCC’を追加する例です:
(setq mail-default-headers "Reply-To: foo@example.com\nFCC: ~/Mail/sent")
デフォルトのヘッダーフィールドが、特定のメッセージにたいして適切でない場合、メッセージを送信する前にそれらを編集する必要があります。