グラフィカルなディスプレイでは、Emacsはフレームのトップ、メニューバーの直下にツールバー(tool bar)を配します。これはマウスでクリックすることにより、さまざまなコマンドを呼び出すことができるアイコンつきのボタンが1列に並んだものです。Emacsはオプションでウィンドウそれぞれの最上部にツールバーを表示することもできます(ウィンドウツールバーを参照)。
(デフォルトの)グローバルツールバーは、一般的なコマンドを含みます。自身のツールバーを定義するメジャーモードもいくつか存在します。バッファーがそれらのメジャーモードの場合、モードのツールバーにより、グローバルツールバーが置き換えられます。アクシデントによる置き換えを防ぐためには、変数tool-bar-always-show-default
をカスタマイズしてください
ツールバーの使用を切り替えるには、M-x
tool-bar-modeとタイプします。このコマンドは、まだ作成されていないフレームを含むすべてのフレームに適用されます。起動時にツールバーの使用を制御するには、変数tool-bar-mode
をカスタマイズします。
EmacsがGTK+サポートつきでコンパイルされている場合、ツールバーアイテムには、イメージ、テキストラベル、またはそれら両方を含むことができます。デフォルトではEmacsはGnomeデスクトップの、ツールバースタイルセッティングにしたがいます。もし何も定義されていない場合、ツールバーのアイテムにはイメージだけが表示されます。特定のツールバースタイルを強要するには、変数tool-bar-style
をカスタマイズしてください。
フレームパラメーターtool-bar-position
で、GTK+ツールバーのためのツールバーの配置を制御することもできます。Frame
Parameters in The Emacs Lisp Reference Manualを参照してください。
NSビルドはツールバーをウィンドウ装飾と判断するため、ウィンドウが装飾されていないときはツールバーを表示しません。Frame Parameters in The Emacs Lisp Reference Manualを参照してください。macOSでは、フレームがフルスクリーンのときツールバーは表示されませんが、スクリーン上端にマウスポインターを移動することにより表示することができます。
キーボードでEmacsで使用したい修飾キーが1つ以上欠落しているせいで、それらを含んだキーシーケンスの入力が難しかったり、不可能なときがよくあります。Emacsはオプションとしてそれらの修飾キーの代替えとして動作するようなボタンのリストを、ツールバーに表示できます。これらのボタンのことを“修飾バー(modifier
bar)”と呼ぶ場合もあります。修飾バーのアイコンをクリックすると、次に読み取られるキーボードイベントにその修飾キーが適用されます。この修飾バーはグローバルマイナーモードmodifier-bar-mode
が有効な際に表示されます。有効にするにはM-x
modifier-bar-modeとタイプしてください。